NECは、中堅中小企業向けに、シングルサインオンで複数のSaaSサービスを利用できるクラウド型のビジネスプレイス「N-town」を5月から提供開始すると発表した。販売管理サービスや会計サービスなど様々なサービスを提供し、サービス開始時点で約20種のサービスメニューを用意し、今後3年間で100種のメニューを提供する予定だという。

現在提供が確定しているサービス

「N-town」ではクラウドサービスに加え、日本能率協会コンサルティングなどのコンサルタントによる経営コンサルティングサービスや、会員企業間での経営相談、ビジネスマッチングなど、会員が集まり交流する場も提供する。

「N-town」では、NECがパートナー向けにサービスとアプリケーション基盤を提供。パートナーは、提供されるサービス(3年後に100種類)の中から、実際に顧客に提供するサービスを選択し、独自メニューを構築、エンドユーザー企業に提供する。

「N-town」システム全体イメージ

このメニューの中には、パートナーが自社のデータデータセンターで運用する独自サービスを追加することも可能なほか、サービス同士の連携、ユーザーサポートなど、より付加価値の高い独自のサービスとして提供することも可能だ。また、パートナー同士が連携してサービスを提供していくことも視野に入れている。

なお、NECでは、このような複合マルチアプリケーション制御について、現在特許を申請中だという。

また、NECではパートナー向けに契約管理、インシデント管理、認証制御、課金管理、請求管理を提供するサービスの運用基盤や、テンプレートやサービスを開発可能なSDKも提供する。

「N-town」サービス&アプリケーション基盤を提供

シングルサインオンでさまざなサービスを利用できるSaaS基盤の提供は、他でこれまでにもあったが、経営相談やパートナーによるITサポートなどが受けられる点が大きく異なるという。

NEC 執行役員 松下公哉氏

NECではSMB市場に対して、年商500億円までの企業には基幹業務パッケージ「EXPALNNER」を、年商300億円程度までの企業にはEXPALNNERのSaaSサービスを提供してきたが、今回の「N-town」は、年商100億円規模までの企業をターゲットに販売していく。

NECでSMB向け事業を統括するNEC 執行役員 松下公哉氏は、「今回のクラウドサービスで、 (SMBに対する)フルラインナップ体制が整った。今後は1週間で導入できる体制を目指し、5年間で250億円の市場を創造したい」と述べた。

SMB市場へのソリューション戦略

NECでは、今後5年間で約10,000社の企業への提供し、売上げ250億円を目指す。