人事院は12日、「2011年度国家公務員長期病休者実態調査」の結果を発表した。それによると、2011年度における一般職の非現業国家公務員の長期病休者は5,370人で、前回調査の2006年度と比べて735人減少したことがわかった。

長期病休者とは、調査年度において引き続いて1月以上の期間、負傷または疾病(以下、傷病)が原因の病気休暇、病気休職等で勤務していない者のこと。

男女別に見ると、男性は4,186人(全男性職員のうち1.82%)、女性は1,184人(全女性職員のうち2.61%)。長期病休者率(全職員に占める長期病休者の割合)は1.95%となり、前回調査の2.04%から0.09ポイント減少(男性0.06ポイント減、女性0.21ポイント減)した。

傷病別に見た場合、最も多かったのは「精神および行動の障害」で3,468人(64.6%)。以下、「新生物(腫瘍・癌など)」が495人(9.2%)、「循環器系の疾患」が307人(5.7%)、「損傷、中毒およびその他外因の影響」が238人(4.4%)、「筋骨格系および結合組織の疾患」が226人(4.2%)と続き、前回と比べると全ての傷病で減少した。

2011度および2006年度の主要傷病別長期病休者数(出典:人事院Webサイト)

傷病別長期病休者率については、前々回調査の2001年以降、「精神および行動の障害」が1位、「新生物」が2位との順で変わらず。1位の「精神および行動の障害」の割合は、前々回が0.46%、前回が1.28%と急増していたが、今回は1.26%と前回より0.02ポイント減少し、増加傾向が若干治まった。2位の「新生物」は、前々回が0.22%、前回が0.20%、今回が0.18%とわずかながら減少が続いている。

年齢階層別(19歳以下除く)に見ると、全ての年代で「精神および行動の障害」が最多となり、特に20歳代では80.2%に上った。次いで、30歳代の75.4%、40歳代の69.4%、50歳代の47.8%、60歳以上の26.0%となった。

このほかの順位については、20歳代では「妊娠、分娩および産褥」、「損傷、中毒及びその他外因の影響」の順、30歳代では「妊娠、分娩および産褥」、「新生物」の順、40歳代以上では「新生物」、「循環器系の疾患」の順となった。

病休期間別の状況を調べたところ、「1月以上3月未満」が最も多く2,518人(46.9%)。以下、「3月以上6月未満」が898人(16.7%)、「6月以上1年未満」が895人(16.7%)、「1年以上2年未満」が657人(12.2%)、「2年以上3年未満」が280人(5.2%)、「3年以上」が122人(2.3%)と続いた。

6月未満の割合は63.6%と過半数となったが、前回比では7.1ポイント減少。一方、1年以上の割合は19.7%と同6.3ポイント増加しており「全体として病休期間の長期化が認められる」(人事院)。特に、「精神および行動の障害」では、6月未満が55.5%と同8.5ポイント減ったのに対し、1年以上は24.4%と同8.1ポイント増えており、長期化が顕著となった。