Appleがモバイルデバイス用Socの製造をIntelに委託することが現実味を帯びてきたと、Reutersが7日に公開した分析レポート「Next Intel CEO to guide new business, maybe Apple deal」の中で指摘している。

レポートによると、AppleとIntelはiPhoneやiPadに搭載するAシリーズSoCの委託製造について2012年にエグゼクティブ同士の交渉を行った。しかし、まだ合意には至っていないという。これはReutersが、どちらかに近い人物から得た情報である。

AシリーズSoCの製造委託はAppleとIntelのどちらにもメリットがある。AppleはAシリーズSoCの製造をSamsungに委託してきたが、同社はモバイル市場のライバルとして台頭してきたSamsungに中核部品の供給を依存する体制から脱却しようとしている。x86プロセッサでPC/サーバ市場をリードするIntelは、コンシューマ向けPC市場の縮小に直面している。PC市場を浸食しているのは、成長著しいタブレットとスマートフォンだ。同社もモバイルデバイス向けチップを用意してタブレット/スマートフォン市場に食い込もうとしているが、ARMベースのSoCが堅固なシェアを維持しているのが現状である。他方、Intelが今後も半導体の製造プロセスの微細化を進めていくためには、これまで以上に設備投資を強化する必要がある。「Intelがトップの座の維持を望むなら、(委託製造事業を成長させるのは)避けられないというのが複数のアナリストの見解だ」としている。こうした予測を裏付けるように、米国時間の2月25日にAlteraが、次世代FPGAについてIntelの14nmプロセストライゲート技術の採用を決め、Intelと製造委託契約を結んだことを明らかにした。