日本時間16日未明に地球に最接近する小惑星「2012 DA14」について、米航空宇宙局(NASA)は詳細な観測結果を公表した。気象衛星や放送・通信衛星などの静止軌道の内側を通過するが、「地球への衝突はない」という。

小惑星「2012 DA14」の地球接近の様子(提供:NASA)

最新データによると「2012 DA14」は秒速7.82キロメートルの速さで地球へ南極の方向から近づき、日本時間16日午前4時24分(協定世界時15日19時24分)にスマトラ島沖の東インド洋上空で地球に最接近した後、北極の方向へ通過する。最接近時の地表からの距離は、地球を2個分並べた約2万7,700キロメートル。赤道上空約3万5800キロメートルの静止軌道よりも近いが、高度386キロメートル上空の国際宇宙ステーションやその他の人工衛星などへ衝突する可能性はかなり低く、通過距離を軌道とする人工衛星もほとんどないという。

「2012 DA14」は昨年2月23日、スペイン・マヨルカ天文台の観測で発見された。直径は約45メートル、推定質量は約13万トン。このサイズの小惑星の地球衝突は、1908年にシベリア・ツングースで起きたものが知られており、このときは1,200平方キロメートルの森林がなぎ倒された。

地球に最接近した「2012 DA14」が、再びやって来るのは2046年2月16日だが、地球から10億キロメートルも離れたところを通る。NASAの研究者によれば、同程度の小惑星は地球周辺に約50万個あるとみられるが、発見されているのはわずかに1%以下。平均して40年に1回地球に接近し、1,200年に1回衝突していると計算されている。

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