2013年夏から秋へ公開が延期となった、高畑勲監督によるアニメーション映画『かぐや姫の物語』

2013年夏に2本同時公開が予定されていたスタジオジブリの最新作『風立ちぬ』と『かぐや姫の物語』だが、このうち『かぐや姫の物語』が2013年秋へ公開延期となったことが5日、明らかになった。

配給元東宝の発表によれば、今年に入ってからスタジオジブリより製作状況について連絡があり、同日公開予定の宮崎駿監督作品『風立ちぬ』の製作とほぼ同じレベルの進行状況にはあるものの、絵コンテがまだ完成をみない状態だったという。これを受けて東宝は諸般の状況を検討し、夏から秋への公開延期を決定。「今年興行界からも『風立ちぬ』と同日公開で最大の話題作と目される作品だけに、東宝としてはその公開の確実性と、作品のクオリティーをより高めてほしいとの願いをこめて、配給会社として公開延期の決断をするに到りました」と説明している。なお『風立ちぬ』に関しては、夏公開にむけて鋭意製作中だという。

高畑勲監督による『かぐや姫の物語』は、その名のとおり『竹取物語』を題材にした作品。当初の予定どおり2013年夏に公開されていれば、スタジオジブリ初となる長編映画の2作同時公開とともに、1988年公開『となりのトトロ』と『火垂るの墓』以来、25年ぶりとなる両監督作品の同時公開となるはずだった。

昨年12月の発表時、すでに『かぐや姫の物語』の方は声を録り終え、先に声を収録してその後に画を作っていくという「プレスコ」という手法を採用したことも明かされており、高畑監督自身も「もしかしたらこれは、僕の最高傑作になる」と話していた。

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