米Googleは1月28日(米国時間)、それまでGoogle Mapsで空白地帯だった北朝鮮に地図データが追加されたことを発表した。これにより、平壌などまだ一部地域限定ながらも北朝鮮での地図検索が可能になった。

これまでGoogle Mapsでは北朝鮮の衛星写真のみが用意され、通常の地図表示で同エリアに移動しても空白の地図が表示されるだけだった。だがGoogleが同日に発表したところによれば、Google Map Makerを使って過去数年間にわたって道やランドマークを中心に記録が行われ、ようやくGoogle Maps上で公開可能なレベルに至ったという。先日Google会長のEric Schmidt氏が北朝鮮を訪問したことが知られているが、それと合わせた形で作業データが一般公開された可能性がある。

以前までの首都平壌付近の様子

Google Mapsでの現在の平壌付近の様子

地図を簡単に確認する範囲では、平壌の比較的詳細な地形データのほか、主要道路、平壌国際空港といったランドマークが登録されている。特に平壌のデータは詳しく、鉄道のほか、いまだ外国人に一部しか利用が開放されていない地下鉄駅のデータも登録されている。また地方都市についても細かいランドマークや地域名等のデータこそ入っていないものの、道や列車のデータは入っているようだ。驚くのは、核軍事施設の存在する寧辺周辺のデータも入っていることだ。地図作成にあたっては現地の協力を得ているようだが、直接公開しても問題ないと判断されたデータは積極的に公開していく方針なのかもしれない。なお気になったのは、日本語版Google Mapsで「平壌」とタイプしても現地には直接移動できず、英語版で「Pyongyang」と入力する必要がある。日本語版Google Mapsで平壌付近の地図を表示するとハングルを中心に一部が漢字表記となり、英語版ではハングルと英語の併記となる。

英語版Google Mapsで「Pyongyang (平壌)」と入力すると、万寿台にある金日成・金正日像にマーカーがセットされる



(記事提供: AndroWire編集部)