米Associated Press (AP通信)によれば、北朝鮮は同国を訪問する旅行者の携帯電話所持ルールを一部緩和し、事前に認められた機種について持ち込みを許可する方針を発表した。現地では北朝鮮国内で利用するためのSIMカードも販売され、持ち込んだ携帯電話に購入したSIMカードを挿入して利用できるほか、携帯電話レンタルサービスも利用できるという。

北朝鮮では外国人による携帯電話の持ち込みが禁止されており、入国審査での没収対象となっていた。そのため、同国に入国する旅行者は直前の国(中国など)で旅行会社などに預ける形態が一般的だ。今回、持ち込みに関するルールが緩和されたことで、条件付きながらもこれら機器をそのまま現地で利用可能になった。ただしAP通信によれば、このSIMで通話できるのは国外の相手のみで、北朝鮮国内の利用者とは通話できない。また韓国も通話対象外だという。インターネット接続も利用不可で、あくまで国外通話専用のSIMの扱いのようだ。

このSIMで使用されている3GネットワークはKoryolinkという携帯キャリアによって運用されている。KoryolinkはエジプトのOrascomと北朝鮮国営企業の合弁でスタートしたジョイントベンチャーで、同国で4年前にネットワーク構築を開始し、現在では100万人以上の利用者がいるという。ただし、今回のSIMで接続されるネットワークと現地利用者のネットワークは分離されており、互いに接続は行えない仕組みのようだ。

(記事提供: AndroWire編集部)