オリコンは1月23日、書籍市場の売上やシェアなどをまとめた「2012年 年間書籍マーケットレポート」を発表した。同レポートの調査協力店は、Web通販を含む全国の書店1907店舗。
発表によると、2012年の書籍総売上額は前年比5.4%減の1兆528.1億円で、総売上部数は前年比4.7%減の12億2580.8万部。2009年から3年連続の売上減少となった。
これまでは低調な傾向が続くなかでも、2009年には「1Q84」や漢字本、2010年は「もしドラ」や「タニタレシピ」、「ONE PIECE」シリーズ、2011年は「謎解きはディナーのあとで」「心を整える」など、ヒット本が大きなムーブメントにつながった。
しかし2012年は、「骨盤枕ダイエット」「タニタレシピ」「カーヴィーダンス」「ロングブレスダイエット」など、ダイエット関連の越年ヒット本以外に大きなブームが生まれず、これが売上減少の一因だという。
書籍形態別のシェアをみてみると、唯一「ムック」だけが、売上金額・部数ともに前年実績を上回っている。また、AKB48の写真集や児童書などが比較的好調だった「大型本」は、売上額が前年比1.3%増、売上部数は0.9%減で、前年並の結果となっている。
書籍ジャンル別のデータは、全ジャンルで前年実績を下回っており、全体的に低調な結果。特に「文学・ノンフィクション」「ビジネス書」「ガイド・地図」と、「政治・経済・社会等」は、売上額、部数ともに2桁~3桁減の大幅な減少を記録した。
出版社別のシェアは、前年から引き続き集英社が1位。総売上額は前年から6.1%減少したが、コミック部門でのアドバンテージと文庫部門での伸長がトップシェアの維持につながった。
シェア2位は講談社、3位は小学館などと続き、6位までの順位は前回と同じ。上位出版社のほとんどが前年より売上を減らしているが、「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズがヒットしたアスキー・メディアワークスは、トップ10のなかで唯一、2009年以来3年連続で売上額・部数ともに前年比増を記録している。