中国のWebサイト遮断状況をモニタリングするGreatFire.orgは1月21日、ソフトウェアプロジェクト・ホスティングサービスGitHubが遮断されていると報告した。

GreatFireは、"Great Firewall of China"と呼ばれる中国政府によるネット検閲状況をレポートするサイト。調査対象のWebサイトに対し、検閲の検出状態を「検閲なし」「矛盾あり」「部分的制限」「完全に遮断」の4段階に分けている。

GitHubのWebサイトは、GreatFireがチェックした1月14日と19日は「検閲なし」だったが、20日に「矛盾あり」となった。21日には5回中4回が「完全に遮断」となり、22日には6回全部が「完全に遮断」となっている。過去30日の平均では、遮断率は63%となっている。

なお、GreatFireが掲載している2012年4月以降のデータをみると、5月と11月に「矛盾あり」があるが、「完全に遮断」はない。ViewDNSでgithub.comを入力しても、アクセスできない様子という結果になった。

GitHubへのアクセス遮断が検出されたと報告するGreatFire.org

GitHubはオープンソース開発者に人気のプロジェクトホスティングサービス。バージョン管理「Git」を利用しており、使いやすいインターフェイスやソーシャルコーディングなどの特徴を持つ。運営している米GitHubは、2012年にベンチャーキャピタルのAndreessen Horowitzより1億ドルの投資を受けている。今年に入り、登録者数が300万人を超えたと報告したばかりだ。

IT Worldらの報道によると、GitHubの代表者も中国でのアクセス遮断を認めており、調査中とのことだ。

GreatFire.orgはGitHub遮断について考えられる原因として、2月中旬の旧正月(春節)の休暇に向けてオンラインでの列車乗車券購入を支援するブラウザプラグインの利用が増えていることに関係があるかもしれないという予想を記している。ブラウザプラグインはGitHubでホスティングされている技術を含むものもあり、GreatFire.orgが参照する現地報道によると、中国の工業情報化部はブラウザベンダーに対しプラグインの提供を控えるように伝えており、これが遮断につながったのではないかという。