総務省は14日、「防災とボランティアの日」である1月17日を迎えるに当たって、平成23年の社会生活基本調査の生活行動に関する結果から、平成22年10月20日から東日本大震災が発生した期間を含む1年間の「災害に関係した活動」の状況について取りまとめを行い、発表した。

社会生活基本調査は、国民の生活時間の配分及び、自由時間における主な活動について調査し、各種行政施策の基礎資料を得ること目的とし、1976年の第1回調査以来5年ごとに実施している統計調査。平成23年の同調査では、全国の世帯から無作為に選定した約8万3千世帯に居住する10歳以上の世帯員約20万人を対象に、平成23年10月20日に実施。

「災害に関係した活動」の状況に関する取りまとめを要約すると下記の通りとなる。

災害ボランティア活動を行った人の状況は、

  • 災害ボランティア活動を行った人は431万7千人で平成18年に比べ約3倍
  • 35~54歳の幅広い年齢層で5%以上の行動者率
  • 雇用されている人の行動者率は、男女共に企業規模が大きくなるほど高い
  • 在学者の行動者率は、小学生から大学院生まで全て上昇

過去1年間に行った日数、および時間の状況は、

  • 「年に1~4日」行った人が309万人と最も多い
  • 1日当たりの活動時間(平均時間)は、男性が女性より長い

地域別の状況は、

  • 岩手県、宮城県、山形県及び福島県で6%以上の行動者率

※ここで使用している行動者率は「10歳以上人口に占める過去1年間に災害ボランティア活動を行った人の割合を指す(単位:%)

災害ボランティアを行った人の状況

10歳以上の人について、平成22年10月20日~平成23年10月19日の1年間で、災害ボランティアを行った人の数は431万7千人となっており、平成18年の132万人に比べると約3倍となっており、男女別に見ると、男性が184万人で女性が247万7千人となっている。なお、災害ボランティア活動を行った人の割合は3.8%で平成18年の1.2%と比べると、2.6ポイント上昇している。

男女別災害ボランティア活動の行動者数(平成18年、23年)

行動者率を年齢階級別にみると、40~44歳が最も高い5.6%、次に35~39歳および45~49歳が5.5%、50~54歳が5.0%となっており、35~54歳の幅広い年齢層で5%以上になっている。また、平成18年と比べると、全ての年齢階級で上昇しており、35歳~49歳では4.0ポイント以上上昇している

年齢階級別災害ボランティア活動の行動者率

雇用されている人について、行動者率を男女/企業の従業者規模別にみると、社会貢献活動の一環として、ボランティア活動の支援などを行っていることもあって、男女共に企業の十行規模が大きくなるほどに高くなっている。

男女/企業の従業者規模別災害ボランティア活動の行動者率 - 15歳以上で雇用されている人

在学者について、行動者率を平成18年と比べると、「大学・大学院」を始め、全ての学校の種類で上昇しており、その中でも特に「大学・大学院」が5.3ポイントと大幅に上昇している。また、学校の種類別に見ると「大学・大学院」が6.0%と最も高くなっている。

在学する学校の種類別災害ボランティア活動の行動者率

過去1年間に行った日数及び時間の状況

災害ボランティア活動の行動者数を過去1年間に行った日数(頻度)別に見ると、「年に1~4日」行った人が309万人と最も多くなっており、災害ボランティア活動を行った人の約7割を占めている。平成18年と比べると、全ての頻度で行動者数が増加している。

災害ボランティア活動の頻度別行動者数(平成18年、23年)

災害ボランティア活動の頻度別行動者数構成比

災害ボランティア活動の行動者率、行動者について平均した過去1年間の行動日数を示す平均行動日数、及び1日当たりの平均時間を男女別に見ると、行動者率は女性が男性より高くなっている。一方、平均行動日数は男性が女性より多くなっており、1日当たりの平均時間も男性が女性より長くなっている。

男女別災害ボランティア活動の行動者率、平均行動日数、1日当たりの平均時間

地域別の状況

災害ボランティア活動の行動者率を都道府県別に見ると、岩手県及び宮城県が11.1%と最も高くなっている。次いで山形県が6.9%、福島県が6.5%などとなっている。

これは平成23年3月11日に発生した東日本大震災により、甚大な被害を受けた地域及び周辺の地域において、災害ボランティア活動を行った人が特に多かったものと考えられる。

都道府県別災害ボランティア活動の行動者率