Webサイトの作り方によって左右されるパフォーマンス、さくさく動くサイトが望ましい点で議論の余地はないが、レスポンスの悪いサイトが実際どのような影響を与えるのか、具体的にはあまり語られていない。SmartBearがこれをテーマとしたインフォグラフィックを同社「Software Quality Matters Blog」で公開しているので、紹介したい。

何秒まで待てる? 3秒過ぎると半分以上がギブアップ

ユーザーの待ち時間の許容範囲はどのぐらいか。スピード命・時は金なりの現在、3秒が大きな境目になるようだ。

調査では、3秒を過ぎると57%のユーザーがしびれを切らし、訪問を諦めることがわかった。どんなに美しいサイトを作ったところで、3秒以内に表示されなければユーザーの目に触れるチャンスすらないということになる。

全米の小売店上位2000のサイトのうち、平均の読み込み時間は10秒。売上げ上位50サイトにしぼると、4.83秒だという。2011年と比較して約10%改善しているが、ユーザーの期待には追いついていないと指摘されている。

損失はどのぐらいか、実際の数字でみてみよう。読み込み時間が1秒遅くなるとページビューは11%減少、顧客満足度は16%下がり、コンバージョン率は7%減少する。Amazonのような巨大なサイトの場合、1秒遅いことが年間16億ドルの機会損失になるとのことだ。

「The Cost of Poor Web Performance」ブログはこちら

増加するオンラインショッピング、モバイルサイトはハードルがさらに高い。

米国での電子商取引の利用者は1億6700万人、普及率は50%を超えており(53%)、2016年には1億9200万人が利用すると見込まれている。取引高からみると、小売り全体に占める電子商取引の比率は10%に満たないレベルだが、増加率は2016年に62%増を見込む。

スマートフォンなど携帯端末からのアクセスはどうだろうか? 米国では電子商取引の売上げの9%がモバイル(タブレットを含む)からで、モバイルへの移行が進みつつある。

ここでは読み込み時間に対して、PCより高いハードルが設けられており、60%のユーザーが3秒を許容範囲とし、5秒以内に表示されないと74%が他に移っているという。

数値はすべて米国のものだが、トレンドは日本も同じ。オンラインで販売などを行う企業にとってサイトの読み込み時間は改めて重要といえるだろう。