IDC Japanは12月5日、2011年の国内SaaS(Software as a Service)型セキュリティソフトウェア市場に関する調査結果を発表した。

今回の調査では、SaaS型セキュリティソフトウェア市場を「アイデンティティ / アクセス管理」「セキュアコンテンツ / 脅威管理」「セキュリティ / 脆弱性管理」の3つに分類し、主要ベンダーの寡占化状況などについて分析を行っている。

発表によると、2011年の国内SaaS型セキュリティソフトウェア市場規模は、前年比成長率19.9%の72億円だったという。機能別の売上額構成比率は、セキュアコンテンツ / 脅威管理市場が54.6%で最も高く、次いでアイデンティティ / アクセス管理市場が41.3%。この2つの市場で全体の9割以上を占めている。2011～2016年の年間平均成長率は15.5%で、2016年には148億円に拡大すると予測している。

また、2011年の国内SaaS型セキュリティソフトウェア市場では、シマンテック、マカフィー、トレンドマイクロの3社が上位ベンダーとなっている。

機能別市場ごとの上位3社は、アイデンティティ / アクセス管理市場がシマンテック、セーフネット、サイバートラスト。セキュアコンテンツ / 脅威管理市場はマカフィー、シマンテック、トレンドマイクロ。セキュリティ / 脆弱性管理市場は日立、クォリス、IBMという結果。

機能別市場における上位3社の占有率は、アイデンティティ / アクセス管理市場が82.3%、セキュアコンテンツ / 脅威管理市場が88.3%、セキュリティ / 脆弱性管理市場58.5%。3市場のうち、セキュリティ / 脆弱性管理市場の寡占化率が最も低く、他の2つの市場と比べて新規参入しやすい環境にあると分析されている。

2011年 国内SaaS型セキュリティソフトウェア市場 主要ベンダーの売上額 / 市場シェア / 前年比成長率(発表資料より)

今回の調査の詳細は、IDCが発行したレポート「2012年 国内クラウドセキュリティサービス市場 ベンダー競合分析」にまとめられている。同レポートの価格は63万円。