ロート製薬は11月20日、再生美容や機能性素材の探索を研究テーマに掲げる同社の研究拠点「ロートリサーチビレッジ京都」において肌のたるみに関する研究を行い、たるみ量の絶対量を測定できる独自測定法「たるみの二次元簡易的測定法」を開発。同評価法を用いて日本人女性の肌を評価した結果、フェイスライン(顔の外側)が一番たるみやすく、フェイスラインのたるみ量と見た目のほうれい線スコアが一致することを確認したと発表した。

同成果の詳細は、2012年11月28日に開催される日本化粧品技術者会「第71回SCCJ研究討論会」において発表される予定。

"肌のたるみ"は、見た目の年齢に大きく影響を与える要素として知られており、同社では2010年に目視によってスコア化した「肌のたるみ評価法」を開発、たるみの曲がり角が2回ある事を確認していた。しかし、このスコア化手法では化粧品使用の影響など、細かい差を評価する事が難しいなどの課題があったことから、今回、より正確で細部まで測定できる評価方法を確立するため、たるみを実際に数値として測定できる評価法についての研究を実施したほか、併せてほうれい線やマリオネットラインのみで判断するのではなく、顔全体のたるみを評価できるような工夫なども取り入れたという。

実際の測定方法としては、半顔あたり15カ所の測定箇所を設け、仰向けで測定箇所をマークし、それが中心となるように「たるみ測定シール」を貼付した後、仰向けでの半顔部分の写真を撮影。次に座位にした場合の半顔部分の写真を撮影し、両方の姿勢での撮影画像を重ね合わせることでマーク部分の移動距離を"たるみ測定シール"から算出し、たるみ量としてスコア化するというもの。

仰むけと座位では下方向への肌の移動(下向きのたるみ)が見られることはこれまでにも知られていたが、従来手法ではできなかった奥行きや斜め方向への移動距離を測定箇所において直接測定する事が可能となり、より簡便で精度の高い測定法になったという。

たるみ測定シールを顔の15カ所に貼り付けて測定を行う。仰臥位(仰向け)と座位では重力のかかり方が変わるため、肌も違う方向に流れるが、肌にハリがある部位では仰臥位と座位で肌のたるみ量の変化は少なく、ハリが少ない部分では肌が流れやすいため、たるみ量の変化が大きくなる。今回の手法では、測定箇所におけるマーク部分の移動距離を360°どの方向でもとらえて測定できるため、各測定箇所でのたるみ量を比較することで、正確にたるみが起こっている部位を特定することができるようになったという

実際に同測定法を用いて40代女性の肌たるみを評価した結果、フェイスラインのたるみ量が最も大きく、一番下側で最大のたるみ量となる事が確認されたという。また、目視による「ほうれい線スコア」と同評価法の結果も一致しており、ほうれい線のスコアが高い人ではやはりフェイスラインのたるみ量が大きいことが確認されたとのことで、これらの結果から、肌のたるみはフェイスラインで起こり、これがほうれい線を形成する原因になっている事が示唆されたという。

40代女性におけるたるみの絶対量