世界のスーパーコンピュータの演算性能を比較する専門家たちのプロジェクト「TOP500」が、2012年11月期での最新ランキングを発表した。今回初登場で首位となったのは米オークリッジ国立研究所にあるクレイ社製の「Titan(タイタン)」で、1秒間に1京7,590兆回の計算速度をもつ。前回(今年6月期)首位だった米ローレンス・リバモア国立研究所のIBM社製「Sequioa(セコイア)」(1京6,325兆回/秒)は2位に後退、同2位だった理化学研究所の富士通製「京(けい)」(1京510兆/秒)は3位となった。
日本では「京」のほかに、青森県六ヶ所村の国際核融合エネルギー研究センターにある「六ちゃん(英語名Helios、ヘリオス)」(1,237兆回/秒)が15位、東京工業大学の「TSUBAME(ツバメ)2.0」(1,192兆回/秒)が17位に入った。
スパコンの国別設置台数は、トップ500のうち米国が250台と1位。2位が中国の71台、日本の28台、イギリス、フランス、ドイツと続く。
「TOP500」プロジェクトは、スパコンの定義の作成や性能比較のために、独マインハイム大学、米テネシー大学、米ローレンス・バークレー国立研究所の研究者らによって始められ、1993年からは毎年6月の国際スパコン会議(International Supercomputing Conference、ISC)と、11月のスパコン会議(Supercomputing Conference、SC)の開催に合わせてトップ500のリストが発表されている。
◇「TOP500」のベスト10
1位〈米国〉オークリッジ国立研究所「Titan」(1京7,590兆回/秒)
2位〈米国〉ローレンス・リバモリア国立研究所「Sequoia」(1京6,325兆回/秒)
3位〈日本〉理化学研究所「京」(1京510兆回/秒)
4位〈米国〉アルゴンヌ国立研究所「Mira」(1京66兆回/秒)
5位〈ドイツ〉ユーリッヒ研究センター「JUQUEEN」(4,141兆回/秒)
6位〈ドイツ〉ライプニッツ研究センター「SuperMUC」(2,897兆回/秒)
7位〈米国〉テキサス大学「Stampede」(2,660兆回/秒)
8位〈中国〉国立スーパーコンピュータセンター「天河1号A」(2,566兆回/秒)
9位〈イタリア〉CINECA「Fermi」(1,725兆回/秒)
10位〈米国〉IBM Development Engineering「DARPA Trial Subset」(1,515兆回/秒)
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