東京・谷中で出会った猫

東京は猫の聖地・谷中。細い路地にはいつも猫たちの姿があります。古くからの寺町である谷中は猫の街としても有名。駄菓子屋さんやお総菜屋さんなど、昔ながらの商店が懐かしい面影を残す一方で、アートな雑貨屋さんや作家さんの個人ショップも数多いアートな街です。

紅葉色づく秋を迎えた谷中で、芸術に食欲に、そして猫にふれて過ごすお散歩に出掛けてみました。

谷中の路地で猫たちに出会う

ひょっこり顔を出したハチワレの猫と、ダンス中の黒猫

JR日暮里駅を降りると、猫の街である谷中の風景が広がっています。陽光あたたかな休日。秋の日差しに誘われて顔を出したハチワレの猫と、黒猫に早速出会います。

猫たちも日なたぼっこをして過ごしていました。少しだけおなかをなでさせてもらうと、とても柔らかくて温かな感触でした。

より目になってる猫ちゃん

「今日はあっちを探検しよう!」と駆けて行きました

猫のパンで腹ごしらえを

猫たちと遊んでいたら、すっかりおなかが減ってしまいました。訪れたのは、昨年のオープンから人気を呼んでいる谷中のパン屋「Bonjour mojo2」。

昼の間だけ歩行者天国になっている道を進むと、サッカーを楽しむ子どもたちの姿が目につきます。その通りから少し細い路地に入ると、対面販売のパン屋さんが。「こんにちは」とごあいさつすると、お店の人が出てきてくれました。

注文したのは猫のさつまいもパン(160円)。さつまいものあんがたっぷりで食べごたえ十分。ほどよい甘みがパン生地とよく合います。うさぎのクリームパン(160円)は耳の部分がカリッとしていて香ばしく、顔の部分はふんわりとした食感です。

谷中のぶらり旅で、小腹が空いたら訪れてみてはいかがでしょうか。

店の外観

うさぎと猫のパン

■店舗情報
店名:Bonjour mojo2 (ボンジュールモジョモジョ)
場所:東京都文京区根津2-33-2
営業時間:9:00から売り切れまで。月曜・第2、第4火曜休。不定休。

猫のアート空間 ギャラリー猫町

階段の脇には猫のオブジェが

腹ごしらえを済ませ、次はギャラリーを訪れました。訪れたのはその名も「ギャラリー猫町」。猫専門のアートギャラリーです。

石造りの階段の入口で迎えてくれたのは、造形作家小澤康麿氏の作品である真っ白な等身大の猫オブジェ。少し長めの階段をのぼっていくと、赤く葉を染めた葉の間から陽光が差してきます。

一軒家のギャラリーには靴を脱いで上がります。2階には展示スペースとして開放されている畳のお部屋があり、のんびり作品を楽しむことができます。

この日は、漫画家である「ますむらひろし」氏の作品展「ATAGOAL×HOKUSAI 2013」が開催されていました。展示会は11月11日まで行われるとのこと。

北斎の独特な世界に、ますむらさんの世界観が躍動する異色コラボ

同展示会は、ますむら氏が葛飾北斎の絵画を独自にアレンジした作品を楽しむことができる原画展。アレンジされた作品の中には猫が数多く登場しており、その柔らかで繊細なタッチをお楽しみいただけます。

2013年カレンダー(1,000円)やポストカード(158円)などが販売されています

11月10日にはますむら氏のサイン会を開催。「2013年カレンダー」または「手ぬぐい」をお買い求めの方が対象で、時間は14:00~15:00とのこと。

同ギャラリーでは、猫に関する企画展が随時開催されています。休日に、猫の作品で心を癒やしたい方におすすめの場所です。

■店舗情報
店名:ギャラリー猫町
場所:東京都台東区谷中2-6-24
営業時間:11:00から18:00、月~水曜休。

和空間で猫たちとスィーツタイム

絵画で猫を楽しんでいたら、やはり本物の猫も恋しくなってしまいました。谷中にあるカフェ「ねんねこ家」に向かいます。猫たちが店内でのんびり暮らしているお店です。

谷中にある霊園へと続く坂道は、少し勾配のある上り坂。その坂の途中に、ユニークな猫グッズが並ぶお店があります。古い民家風のたたずまいの「ねんねこ家」は、1階は畳、2階はバリ風の内装です。冬にはこたつの並ぶ1階のお部屋には、アンティークの猫作品や、アートなオブジェが空間を彩ります。

お店の外観と、にゃんこロールケーキセット1,000円

店内に入り、ロールケーキセットを注文しました。ケーキには猫の顔が描かれており、食べるのがもったいないほど。生地はふんわりと仕上がっていて、甘すぎないしっとりしたクリームを楽しむことができます。

撫でられてすっかりごきげんのチョビちゃん

カフェの中にはチョビちゃんという名前の猫ちゃんが。ねんねこ家の営業を担当する猫ちゃんだそうです。年齢は8歳で、頬や額をなでてもらうのが大好き。この日もお客さんになでられて上機嫌でした。

「ねんねこ家」では、畳敷きの和室で、猫をめでながらスイーツなどを楽しむことができます。通いつめれば、猫自ら膝に乗ってきてくれるかもしれませんね。

■店舗情報
店名:ねんねこ家
場所:東京都台東区谷中2-1-4
営業時間:11:30から18:00、月~水曜休。

おみやげはもちろん猫グッズ

猫の街谷中には、地域型の商店街があり、「谷中銀座」と呼ばれています。その商店街の端に、猫雑貨店である「ねこあくしょん」があります。オリジナルの猫グッズなどを買うことができ、特に若い女性に人気のお店です。

にぎやかな猫たちの看板が目印

店内には所狭しと猫グッズが並んでいます。猫の爪とぎの形をしたストラップや、猫のサブレ、イヤホンジャック付きのキーホルダーや、猫のイラストが描かれたメガネ拭きなどが販売されており、そのデザインに目を奪われます。

オリジナルグッズの木製つめとぎストラップ(630円)

ネコサブレ1枚100円~。クリスマス仕様のラッピングもある

イヤホンジャック付きキーホルダー(336円)

猫のイラストが描かれたメガネ拭き(892円)と光る携帯クリーナー(945円)

贈り物などにも適した猫グッズが満載でした。谷中を訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

■店舗情報
店名:ねこあくしょん
場所:東京都荒川区西日暮里3-10-5
営業時間:11:00から18:00、月曜休み。

他にも猫のグッズを扱うお店や、猫のいるカフェや看板猫のいるお店がいっぱいの谷中。どうぞ秋の一日を猫とともにお過ごしください。

<著者プロフィール>
一色千里
ハンドメイドや動物、街歩きや旅をテーマに撮影と執筆を手がける。著書に「東京手づくり市マップ」「東京ねこ街案内」(角川グループパブリッシング刊)などがある。新著「カワイイ動物カフェへようこそ!」が日本工業新聞社より2012年11月2日に発売!

猫情報を配信するちまたの猫暮らしを運営するほか、物語で街と人をつなぐ「本のカケラ」など街イベントも積極的に企画。ホームページツイッターも運営中。