NECは、企業がスマートフォンやタブレット端末などのスマートデバイスを業務で活用する際のシステム構築を、より迅速化・効率化するため、スマートデバイス向けアプリケーション開発を効率的に行う業務システム構築基盤「SystemDirector Enterprise for Smart Device」を整備した。

業務システム構築基盤「SystemDirector Enterprise」概要

本基盤を活用することで、複数のデバイス・OSの種類やバージョンごとに開発が必要になる部分を最小限に抑え、その他の共通部分を1つのソースコードで開発することが可能になる。

これにより、企業が複数種類の端末で接客業務や保守業務などの業務システムを導入する際に、端末の種類ごとにアプリケーションを開発する煩雑さを軽減する。特に、業務システムを個人所有端末で利用する形態(BYOD:Bring Your Own Device)など、多様な端末の利用を前提とする場合に有効となる。

NECでは、スマートデバイスの機種ごとに個別開発するケースと比較して、開発期間の平均15%短縮を見込んでいる。

製品は、カメラやGPSなど端末が保有している機能との連携部や、プリンタやスキャナなど各種デバイスとの連携部を、OSに依存しない共通のアプリケーションとして実現する仕組みを提供する。これにより、開発生産性の向上に加え、アプリケーションの更新や修正も容易になり保守性も向上。また、マルチデバイスに対応可能なソースコードを設計書から自動生成する機能(ジェネレータ)も提供予定。

さらに、タッチパネルなどスマートデバイスの特性に対応したUIの基本設計方法(ガイドライン)を整備し、企業のシステム構築において、利用シーンに応じた操作性の高いアプリケーションを提供。安全性の高いアプリケーションを開発するための方法論と、NECのスマートデバイス管理サービスとの連携機能を整備し、セキュリティを確保した安全性の高いシステムの開発効率化を実現する。

本基盤は、クラウド型ソフトウェア開発環境「ソフトウェアファクトリ」上に展開し、NECグループ内での活用を今年度下期から開始している。