東芝は10月23日、阪急電鉄8000系車両に高効率の全閉型永久磁石同期電動機(以下、全閉PMSM)と新たに開発した4in1VVVFインバータ装置を採用したシステムを試験搭載し、既設の誘導電動機(IM)とGTO素子を使用したVVVFインバータ装置のシステムを搭載した車両と比較して、約50%の消費電力量削減を実証したと発表した。

今回開発した4in1VVVFインバータ装置は、1台の冷却器にインバータ回路を4回路搭載することで装置の小型・軽量化を実現。全閉PMSMと組み合わせることにより、力行の消費電力量を削減するとともに、電力回生ブレーキの負担を増やして回生電力量を増加させ、車両全体の省エネを実現している。

同社では9月、阪急電鉄8000系車両の同一編成内に全閉PMSMと新たに開発した4in1VVVFインバータ装置のシステムと既設のIMシステムを搭載。各駅停車相当の運行パターンで試運転を実施し、消費電力量を測定して両者の比較を実施した。

その結果、力行の消費電力量約10%削減、回生電力量約85%増加、トータルで約50%の消費電力量削減結果が得られたという。

同社では今後、営業運転で効果を実証していくとしている。

東芝が新たに開発した4in1VVVFインバータ装置