ガートナー ジャパンは10月3日、「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2012年」を発表、2012年以降に企業のIT戦略に大きな影響を及ぼす31個のテクノロジと関連キーワードを選定し、日本国内におけるトレンドを示した。

「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル」は、ユーザー企業のCIO、IT部門のリーダー、テクノロジ・ベンダーのマーケティング、製品開発、戦略企画担当者に向けて、先進テクノロジのポートフォリオを策定する際に考慮すべきトレンドを業種横断的な視点で示している。

日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2012年

同社では、31個のテクノロジの中でも、特に注目すべきは、クラウド、モバイル、インフォメーション、ソーシャルの4つの「力」に関連するキーワードのポジションだとしており、それぞれの力に関連する重要テクノロジのハイプ・サイクル上のポジションについて、次のように説明している。

「クラウド・コンピューティング」は、幻滅期に移行。業務システムのクラウド化を行いたい企業は、まずは既存システムの棚卸しと仕分けを確実に行うべきだとしている。

「モバイル・コンピューティング」は、「過度な期待」のピーク期にある。これらは適切に導入することで、多くのビジネス効果をもたらす可能性があるが、モバイル機器やサービスはコンシューマー・ベースであり、変化も激しく、安定性、管理、セキュリティの課題をもたらす場合もある。企業は、モバイル・コンピューティングについて、事前に有効性を十分検証し、さらに次世代の利用者環境の在り方についても検討すべきであるとしている。

「ビッグ・データ」は、「過度な期待」のピーク期に入る直前にある。ユーザー企業のIT部門は、情報の膨大さ、多様さ、発生するスピードに依存する処理の困難さがビジネス推進の阻害要因となっている領域の特定に今すぐ着手すべきであるとしている。

「エンタプライズ・ソーシャル・ソフトウェア」は、過度な期待のピーク期を脱し、幻滅期に移行。企業は、テクノロジの鍵となる特性が、従業員、顧客、ビジネス・パートナーのオープンな参加であることを理解した上で、経営トップの率先的な参加や、業務評価との連携など、定着のためのインセンティブの実現を併せて計画すべきだとしている。