村田製作所は、モバイル機器のワイヤレス充電が可能なコンセプトモデルを、インテル、コクヨファニチャーと協働で試作したと発表した。このコンセプトモデルは、村田製作所が開発した電界結合方式ワイヤレス充電システムをコクヨファニチャー製のテーブルと各種モバイル機器に搭載することで、机に置くだけでワイヤレス充電を行うことができるようにするもの。

協働試作したオフィス用デスクのレイアウトイメージ(コクヨファニチャー提供)

電界結合方式は、送電側と受電側に電極を設置し、電極間に発生する電界を利用してエネルギーを伝送する方法。

最近、ワイヤレス充電へのニーズが増えているが、モバイル機器へ十分な充電をするためには20Wを超える高い電力伝送が必要なため、発熱の問題やモジュールの小型化が困難という理由で技術的ハードルが高く、これまで実現できなかったが、村田製作所は、電極部分の発熱がない電界結合方式を採用し、独自の回路設計技術によりモジュールを小型化することで、モバイル機器用薄型ワイヤレス充電システムの協働試作に成功したという。

モジュールは、25Wのワイヤレス電力伝送が可能で、97×11×46mmと小型化することでモバイル機器内への組込みが可能。電極の厚みは0.1mm程度で、モバイル機器の厚みを変更することなくワイヤレス給電機能を付与することができるという。