フロンガスなどのオゾン層破壊物質の生産や消費を国際的に規制する「モントリオール議定書」の採択(1987年9月16日)から25周年を迎えたのを機に、世界気象機関(WMO)は、南極上空のオゾンホールの大きさが今年は昨年よりも小さく、有害な太陽の紫外線から地球を守ってくれるオゾン層が回復傾向にあると発表した。国連の潘基文(バン・キムン)事務総長は「これらの破壊物質の98%を世界で廃止したことにより、オゾン層は50年先までの回復軌道に乗っている」と述べた。

発表によると、オゾン層破壊物質は大気圏内では1980年以前のレベルまでに減るには数十年かかるとみられるが、南極上空の成層圏においては2000年ごろを最高値に1年に1%ずつの割合で減少しつつある。オゾンホールは毎年9-10月が最大期にあたる。今年は9月に入ってからの2週間で約1,000万平方キロメートルから約1,900万平方キロメートルまでに急速に拡大したが、オゾン層の破壊に関係する極成層圏雲の広がりや気温状況などから、最終的には2010年のレベルよりわずかに上回るものの、昨年に比べて規模は小さいと予想されるという。

オゾンホールの大きさは、日本の気象庁によると、2000年に過去最大の2,960万平方キロメートル、2006年にも2,930万平方キロメートルを観測するなど、年々増減を繰り返しながら推移している。2010年は2,190万平方キロメートル、昨年は2,550万平方キロメートルの面積だった。

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