映画『アウトレイジ ビヨンド』の試写会が18日、東京・霞ヶ関のイイノホールで行われ、監督・主演を務めた北野武とキャストの西田敏行、三浦友和、加瀬亮らが出席した。

前列左から、新井浩文、三浦友和、北野武監督、西田敏行、小日向文世、松重豊、後列左から、中野英雄、中尾彬、加瀬亮、高橋克典、神山繁、塩見三省 拡大画像を見る

映画『アウトレイジ ビヨンド』は、北野武が監督・脚本・編集・主演を務めた2010年公開の映画『アウトレイジ』に続く完結編で、ヤクザ社会の熾烈な抗争を描いた作品。前回の抗争から5年後、会長が加藤(三浦)に変わり新体制となった関東一の暴力団・山王会は、政治の世界まで勢力を拡大する。ヤクザ組織を壊滅させようと、関西の暴力団・花菱会との対立を目論む警察組織は、刑務所で死んだはずの大友(北野)を出所させ、巨大な抗争に発展していく――というストーリーで、映画は10月6日より全国公開。

舞台あいさつには、北野監督、西田、三浦、加瀬のほか、キャストの中野英雄、松重豊、小日向文世、高橋克典、新井浩文、塩見三省、中尾彬、神山繁が出席。観客から大きな拍手で迎えられた北野監督は「日本の暴力映画は、高倉健さんの仁侠映画から始まって歴史を作ってきたけど、新しい時代の暴力映画が撮れたと思う」と自信を持ってPR。前作に引き続き出演している山王会の若頭・石原を演じた加瀬は「今回は出世しましたが、器が足りなかったようで……。楽しんで見て下さい」とあいさつし、山王会の古参・富田役の中尾は「クサイ役者ばかり集めて、北野監督が一番楽しんでたと思う。爽快感というかスッキリした気分です」と撮影を振り返った。

同作は、第69回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門で正式上映されたが、北野監督は「反応がすごく怖かったけど、"暴力映画の最高傑作"って言ってくれてうれしかった。時代の流れで、暴力映画は賞は狙えないと思うけど名誉をもらった」と上機嫌で語り、「見ての通り、キャストは主役を張る人ばかり。ギャラも相当掛かって事務所としても赤字なので、是非周りの人に勧めて」と吐露する場面も。同作で、新たなキャストとして登場する花菱会の若頭・西野を演じる西田は、北野に出演を自ら名乗り出たそうで「出演できて、うれしかったし、楽しかったし、面白かった。怒鳴るシーンでは、悪いものが出たみたいで体調が良くなりました」と満足げに語り、花菱会のヒットマン・城役の高橋も「高い緊張感と自由を感じながら演じることが出来て幸せでした」と感慨深げ。新井は豪華キャスト陣を見渡しつつ「僕はいつも怖い役が多いけど、この中では一番可愛いと思う」と笑いを誘っていた。