PMC-Sierra サーバストレージソリューションズ副社長のJared Peters氏 |
PMC-Sierraは9月5日(米国時間)、PCI Express(PCIe) Gen3の帯域幅を最大限活用可能な6Gbps SAS/SATA RAIDアダプタ「Adaptec 7シリーズファミリ」を発表した。
同シリーズは自社開発の24ポートRAIDオンチップ「PMC PM8015 RoC(RAID on Chip)」とSAS 3.0(12Gbps)向けに規定されている高密度(HD)Mini-SASコネクタを採用することでロープロファイルMD2形状で最大16ポート(対応ケーブル/カードも7製品をラインアップ)、フルハイトハーフレングス形状で最大24ポートまでサポート可能。「これにより、最近出てきている24ドライブサポートサーバなどをエクスパンダバックプレーンなどを追加せずに、かつレイテンシの問題も気にせずにサーバの性能を最大限に引き出すことが可能になる」と同社サーバストレージソリューションズ副社長のJared Peters氏は語る。
パフォーマンスとしてはPCIe Gen3の帯域幅(8レーン PCI Gen3の場合で8GB/秒)を最大限引き出すことが可能とする6Gbps SASポート×16の構成(9.6GB/秒)を実現。シーケンシャルリード時の転送速度は6.8GB/秒で、4Kランダムリードブロックサイズで450K IOPSのパフォーマンスを発揮することが可能だという。
7シリーズは理論的にはPCIe Gen3の帯域幅を活用することが可能な構成となっている(PCIe Gen3 ×8の転送速度が8GB/秒、6GbpsのSASが16ポートで9.6GB/秒とのことで、同時に16ポートが稼働するとPCIeバスの帯域幅を超えそうな気もするが、実際の運用で16ポートを同時に稼働させるような構成はほぼないとの見方を同社では示している) |
また同シリーズでは第3世代SSDキャッシュテクノロジー「maxCache 3.0」を搭載した「Adaptec 7Qシリーズ」も用意。同世代では新たにライトキャッシュの冗長性を追加することでSSDキャッシュの故障からデータの保護が可能となったという。パフォーマンスとしても前世代比で、ライトキャッシング使用時にライト時で最大14倍、リード時で最大25倍のIOPS向上が可能だという。また、パーティショニングの機能も追加されており、これによりデータ保存用の論理アレイ内にキャッシュプールを構築することが可能となり、自由にデータ用、キャッシュ用と区分けして活用することが可能となった。
さらに第3世代のゼロメインテナンスキャッシュプロテクション(ZMCP)「AFM-700」をオプションとして用意。第3世代として基板サイズの縮小やキャパシタ性能の向上を果たしたほか、温度計測や製品の健全性のチェックが可能となった。また、フラッシュバスからダイレクトにメモリアクセスが可能となった。
なお、同シリーズの価格はオープンだが、「従来の4/8ポート製品が主流だった市場を16ポートへと移行させる意図が我々にはあり、かつ従来必要であったエクスパンダとホストアダプタを1つの製品で代替可能ということを考えると、かなり戦略的な価格設定となっていると思ってもらって良い」と同氏は語っている。