日立コンシューマエレクトロニクスは8月2日、使い勝手と測定精度を大幅に向上した「ガンマカメラ(放射線測定装置)」の新製品を開発し、受注を開始すると発表した。

日立は3月下旬より、放射性物質が放射するガンマ線の線量を測定した結果とカメラで撮影した映像を重ね合わせ、放射線量の高低を色分けして確認できる「ガンマカメラ」を販売開始している。その後、福島県内を中心に測定を実施しながら、自治体などで除染活動に関わる人や放射線測定の専門家から、放射線測定装置に対する要望や同社製品についてヒアリングを重ね、その結果を生かし、GUIの改善による操作性の向上や、距離補正の性能向上、小型化、位置情報(GPS)への対応を実現した。

「ガンマカメラ」と使用例

日立独自の技術により、画面中心の1点のみの距離を測定し、その距離で補正した線量率を表示していたが、同装置では、距離測定をマルチスキャン化し、放射線検出エリアの全256ピクセルのピクセルごとに距離を測り、補正処理を行うことで、より一層精度の高い測定データが得られるようにした。

従来製品では測定者が独自の知見で測定終了時間を見極めていたが、新製品では測定環境に応じて自動的に判断し測定終了までにかかる時間を画面上に表示するほか、バッテリー残量も表示するなどGUIを改善した。

そのほか、同社指定の「USB接続GPSレシーバ」(NMEA対応品)を取り付ければ、放射線測定データと共にGPS位置情報が記録されるので、除染活動前後のデータ管理に役立つ。

価格や納期は個別見積りとなり、受注生産で提供される。重量は約32kg、寸法は幅W193mm×高さH295mm×奥行D310mm、視野角は43度(10mの地点での視野:8m×8m)、3種類の核種(セシウム134、セシウム137、ヨウ素131)の識別が可能。