JTBモチベーションズは7月3日、「大学新卒者の3割が3年以内に離職する」と言われる若年社員の早期離職問題に着目して実施した「入社3年の離職危機」に関する調査の報告書を発表した。

同調査は、入社3年を超えて4年目に入った社員のうち、仕事に対するモチベーションが高い男女206人、モチベーションが低い男女206人に対し、受講した新入社員研修、現在の仕事環境、会社に求める施策などを聞いて分析したもの。

モチベーションが高い社員にその理由を聞いたところ、「仕事を通じて成長しているという実感があるから(38%)」、「職場の人間関係がいいから(36%)」が上位に挙がった。また、モチベーションが高い社員は、「社内に、尊敬できる社員がいる(76%)」、「自分に合った仕事ができている(71%)」などに対して満足している人が7割を超えている。

この結果より、同社はモチベーションの高い社員について、「成長の実感」「社内に尊敬できる社員がいる」「適職感」などの内から湧き出る「内発的なモチベーション」が原動力となり、高いモチベーションを保っていると分析している。

モチベーションが低い社員にその理由を聞いたところ、「給与やボーナスへの不満(47%)」が最も多かった。同社で、モチベーションが低い社員はモチベーションの高い社員と違い、自分の成長や適職感を感じないために外的な要因に関心が向き、不満を感じてモチベーションが低下するという「外発的な負のサイクル」に陥っているとして、「ここからの脱却が急務」と指摘している。

仕事へのモチベーションを高めるために、会社に実行してほしい対策は「ノー残業デー」(49%)が第1位だった。性別、モチベーションの高さによって回答は異なり、高モチベーション男性が求めるものは「目標設定と達成度に応じた評価」、高モチベーション女性が求めるものは「他社他業種との交流」という結果が得られた。