7月14日公開の映画『苦役列車』が19日、中国で開催中の第15回上海国際映画祭でワールドプレミア上映され、主演の森山未來と山下敦弘監督が舞台あいさつを行った。

上海国際映画祭で舞台あいさつに立った森山未來(左)と山下敦弘監督 拡大画像を見る

上海市内で最も歴史のある「Grand Theatre Shanghai(グランドシアター上海)」にて上映され、22:45からの上映にもかかわらず、チケットは早々に売切れ、劇場には600人以上の熱心な中国人の観客が集結。舞台あいさつで森山と山下監督は、中国語で自己紹介すると、会場からは大歓声が上がった。

同映画は、芥川賞を受賞した西村賢太の同名小説を、『リンダ リンダ リンダ』(2005年)や『天然コケコッコー』(2007年)の山下監督が映画化作品。西村自身を思わせる19歳の肉体労働者、北町貫多(森山未來)のひねくれた青春を描く。

森山は「北町貫多という男が、登場人物一人一人と出会って行き、不協和音が重なって行く、その山下ワールドの面白さが上海のお客さんにも伝わっていたと思います。日本に戻ったら今度は日本のお客さんとも一緒に観てみたい。また、今回は短い時間でしたが、次回はゆっくりと時間をとって中国に来てみたい」と手ごたえを感じた様子。山下監督は「上映を一緒に見ていて上海のお客さんの笑うところなど、反応がとても面白かった。 日本の人にしかわからない設定も映画の中に多いのだが、人物の動作など全体の印象で観てくれているような気がしました」と感想を語っていた。