連合はこのほど、20歳以上のアルバイト・パートを含む有職者1,000人を対象に実施した「人と人とのつながり(絆)に関する調査」の結果を発表した。同調査は、家族、親戚、友人や仲間、SNS、近所の人と、職場の上司・同僚とのつながりについて聞いたもの。

「家族や親戚とのつながり」について「大切だと思う」と回答した割合は、「配偶者」が87.9%、「子ども」が92.3%、「両親」が82.8%、「兄弟姉妹」が69.2%、「親戚」32.3%となった。

「友人や仲間とのつながり、SNS上でのつながり、近所の人とのつながり」について「大切だと思う」と回答した割合は、「友人」が71.9%、「(スポーツや趣味などの)サークルやグループの仲間」が27.0%、「近所の人」が23.9%となり、「SNS上でのつながり」が「大切だと思う」と回答した割合は9.9%にすぎなかった。

「職場の上司、同僚とのつながり」について「大切だと思う」と回答した割合は、「職場の上司」が29.7%、「職場の同僚」が43.3%となった。家族や友人とのつながりを「大切だと思う」とした割合と比べると低いが、「どちらかといえば大切だと思う」まで加えると、職場の上司とのつながりを『大切だと思う』と回答した割合は83.7%、職場の同僚は90.1%と、親戚とのつながりを『大切だと思う』とした割合(87.7%)と同程度に大切という結果が出た。

つながりをどの程度大切だと思うか 資料:連合

家族とのコミュニケーションを『とっていない』理由を聞いたところ、「時間が合わない」「仕事が忙しい」が上位2項目となり、忙しさが理由として多く挙がった。また、職場の上司・同僚とのコミュニケーションを『とっていない』理由については、「コミュニケーションを取る必要を感じない」26.9%が最も高く、これに「何を話題にしていいかわからない」(25.4%)が続いた。

20代について見ると、職場の上司とコミュニケーションを『とっていない』理由が他の年代は「コミュニケーションを取る必要を感じない」が最も高かったのに対し、「何を話題にしていいかわからない」(35.5%)が2番目以下の理由より10ポイント以上高かった。同僚とコミュニケーションを『とっていない』と回答した理由も、「何を話題にしていいかわからない」(39.0%)が最も高く、他の世代と異なる特徴が見られたという。

職場の上司とのコミュニケーションをとっていない、または、とれていない理由 資料:連合

全回答者に人が社会的に孤立するきっかけを聞いたところ、「失業」(78.0%)が最も高かった。これに、「貧困」(67.0%)、「就職先が決まらないままの卒業」(55.1%)、「一人暮らし・家族との別居」(46.2%)、「離婚・死別」(43.2%)が続いた。雇用に関することが社会的孤立のきっかけになると回答した人の割合が多く、連合では「人は職場や仕事を通じて社会とつながっていることを再確認できる結果となった」としている。男女別では、「結婚や出産・育児による退職」は男性が18.0%だったのに対し、女性は31.8%と3割を超えた。

人が社会的に孤立するきっかけになると思うもの 資料:連合