米Sprint Nextelの子会社でプリペイド携帯サービス専門のVirgin Mobile USAが7月1日よりiPhoneの販売を開始する。これは先日発表されたプリペイドキャリアの米Leap Wireless (Cricket Wireless)のiPhone販売開始に続くもので、人気端末を獲得したいこれらキャリアと、幅広いユーザーに拡大を目指したいAppleの意向が合致した形だ。

Virgin Mobileは英Virgin Groupの携帯部門で、携帯キャリアのネットワーク回線を間借りする「MVNO」(Mobile Virtual Network Operator)方式で世界中にビジネスを展開していることで知られている。Virgin Mobile USAはその米携帯子会社としてスタートしたが、2009年に米国のMVNO先であったSprint Nextelに買収される形で傘下に入っている。Virgin Mobileの特徴は安価な料金設定で手軽に端末が購入できることであり、ビジネス展開当初は特に若者を中心として利用が広まり、人気を博していた。この料金設定が安いという特徴は現在も引き継がれており、現在同社はスマートフォン向けに月額35ドルでデータ通信とSMSが無制限で利用できるプランを提供しているなど、先日発表されたCricket Wirelessの55ドルと比較しても非常に安価だ。もしiPhoneがこの料金プランで利用できるのであれば、非常に魅力的な選択肢となる。

Virgin Mobile USAのページではiPhone 4S販売を予告

同件については米Wall Street Journalが6月5日(現地時間)に報じている。本体の価格については触れていないものの、Sprintが販売している2年契約でiPhone 4S (16GB)が199ドルという価格よりは高く、おそらくはCricketの契約縛りなしで499ドルという価格に近いとみられる。ただしVirgin Mobile USA (Sprint)はCDMA系のネットワークを利用しており、キャリア間での端末の融通ができない。そのためVirginで端末を購入しても、Virgin以外のキャリアでサービスを利用できない。これはCricketも同様だ。WSJによれば、Virginでの販売台数は資本関係でSprintでの総販売数にカウントされるため、以前SprintがAppleと結んだとされる数千万台規模の販売コミッション達成の一助になるのではと分析している。