IDC Japanは5月21日、国内におけるクライアントPC市場の出荷実績値を発表した。これによると、2012年第1四半期(1~3月)の国内クライアントPC出荷台数は、ビジネス市場が231万台(前年同期比14.1%増)、家庭市場が204万台(同6.1%増)の計435万台(同10.2%増)となったという。

同社では、懸念されたHDD不足によるクライアントPCの供給の問題は限定的であり、ビジネス市場と家庭市場の双方でプラス成長になり、ビジネス市場では大企業だけでなく、中小企業でも堅調に買い替えが進み、家庭市場では春商戦が好調に推移したためプラス成長を維持したとしている。

ベンダーシェアでは、NEC レノボグループが唯一出荷台数が国内で100万台を超え、昨年第1四半期のNECとレノボの出荷台数と比較すると、ビジネス市場と家庭市場ともに前年同期比2ケタのプラス成長を達成した。

富士通は、家庭市場向け出荷が振るわなかったがビジネス市場では健闘し、プラス成長となった。東芝もNEC レノボグループと同様に、ビジネス市場、家庭市場ともに好調で同比2ケタのプラス成長になった。

HPは上位5社の中で最も高い前年同期成長率を達成し、2011年第4四半期の5位から4位に順位を上げた。順位を逆転されたデルは、上位5社の中で前年同期比で唯一マイナス成長になった。前期に家電量販店向けに出荷したPCが在庫になり、今期家庭市場が振るわなかったことが要因の1つとしている。

2012年第1四半期国内クライアントPC出荷台数 トップ5ベンダーシェア 対前年成長率(実績値) 資料:IDC Japan

同社は「ビジネス市場では、復興需要への期待や景況感の回復などから、大企業だけでなく中小企業のPCの買い替えが進み、ビジネス市場は、2012年に欧州経済危機が再発しなければこのまま好調を持続する。家庭市場ではUltrabookやWindows8と、市場を活性化する材料が多い」と分析している。