日本を広く縦断するケースとしては932年ぶりという金環日食。特に首都圏で観られるのはなかなか機会がなく、次は西暦2312年とちょうど300年後である。無事、皆さんは観ることができただろうか? 雲が結構かかってしまったが、金環食を含む日食の様子を撮影することができたので、ここで振り返ってみよう。

筆者が今回使用した撮影機材は、カメラ本体がキヤノン EOS 50D、望遠レンズがキヤノン EF-S 55-250mm、ケンコーのフィルターND400を明るい時は2枚(400×400で16万)、薄曇りの時は1枚、かなり暗い時は2枚とも外して撮影した。画像はRAWで撮影し(後からホワイトバランスが取りやすい)、シャッタースピードや絞りは細かく変えている。シャッタースピードを速めにしての手持ち、三脚を使用してのスローシャッターの両方を行った。雲がかかっている画像が多いが、その点はご了承いただきたい。

画像1。欠けて6分ほど経過した6時25分ごろ。シャッタースピード(Tv)1/10、絞り(Av)5.6、ISO400、ND400×2

画像2。6時51分ごろ。3分の1ほど欠けたころ。Tv1、Av25、ISO400、ND400×2。画像1よりシャッタースピードが遅いので黄色みが出た

画像3。7時21分ごろ。時間帯的に見てもわかるが、半分以上が欠けている。この頃から雲がかなりかかってきてしまった。Tv1/50、Av5.6、ISO100、ND400×1

画像4。続いて7時26分ごろ。だいぶ欠けた状態。Tv1/10、Av5.6、ISO100、ND400×2

画像5。7時30分頃。リングまであとちょっと。TV1/4、Av5.6、ISO100、ND400×2

画像6。7時31分頃。あと数10秒で環がつながるタイミング。Tv1/6、Av5.6、ISO100、ND400×2

画像7。7時32分ごろ。金環日食中。この頃、ちょうど雲が厚くなってしまった。Tv0.3、Av5.6、ISO100、ND400×2

画像8。食が東京では最大となる7時34分ごろ。Tv0.4、Av5.6、ISO100、ND400×2

画像9。7時47分ごろ。金環食が終わって10分ほど。その間、かなり雲がかかってきてしまって見えなかった。この時も雲が厚く、ND400を1枚にして撮影。Tv1/100、Av5.6、ISO100

画像10。8時1分頃。ND400を1枚のまま、Tv1/30、絞り11.0、ISO400。肉眼でもまぶしくない程度で雲間からきれいに見えるが、なかなか肉眼のように写せない

画像11。8時29分ごろ。この頃になると、雲がどいた。もっと早くどいてくれれば……。Tv1/60、Av11.0、ISO400、ND400×2

画像12。8時51分頃。食も終盤。この後、10分後、9時2分に終了した。Tv1/10、Av29.0、ISO400、ND400×2

また、6月6日(水)には金星の太陽面通過(日面通過)という、再び日食グラスなどを利用できるイベントがあるので、金環日食を観終わったからと捨ててしまわず、ぜひまた活用しよう。開始と終了の時刻は前後するが、北海道から沖縄まで日本全国で観られる。

金星の太陽面通過は、外食の始めが7時10分前後で、外食の終わりが13時47分前後と、6時間半強に及ぶ長丁場のイベントなので、朝の始まりを観て、昼休みなどにまた観れば動いているのがわかるというわけだ。ぜひ、すぐ隣の地球の双子星の存在を確かめてみてほしい。