日本アイ・ビー・エムは5月15日、クラウドサービス「IBM SmarterCloud Enterprise 」のラインアップを強化し、サービス管理やセキュリティ機能とともにIaaS環境をマネージドサービスとして提供する「IBM SmarterCloud Enterprise+」を発表した。サービス開始は8月初旬の予定。

同サービスは、一般的なIaaSでは提供されていない企業システムに不可欠な運用サービスを、ITILに基づき仮想マシン上のOSレベルまで提供する。具体的には、メニュー方式で選択するOS、ミドルウェア、ストレージなどのITリソースをセットアップし、仮想サーバ単位/OSレベルのSLAに基づく運用サービスと共に提供される。サービスレベルはワークロードや利用形態により、4段階のオプションから選択可能。

米国、ドイツのデータセンターですでに提供が開始されており、今後、日本、南米、アジアのデータセンターに拡大予定。日本でのサービス開始は本年8月初旬予定だが、日本で契約することにより、世界のどのデータセンターからも同じサービスを同じ条件で利用できる。

「IBM SmarterCloud Enterprise 」を提供しているデータセンター。「IBM SmarterCloud Enterprise+」は現時点で、米国とドイツのデータセンターで提供されている

同社は、業務アプリケーションの領域のパートナーとの協業を推進し、アプリケーションをPaaSとして提供するサービスの開発を予定しており、その第1弾として、SCE+をインフラとしSAPのアプリケーションをPaaSとして提供する「IBM SmarterCloud for SAP Applications」の開発意向を表明している。同サービスの国内データセンターでのサービス提供は今年後半に開始予定。

今後は、顧客が設置・運用するプライベートクラウドとの連携(ハイブリッドクラウド)や、既存アプリケーションを円滑に同サービス上に移行するためのソリューション提供に向け、IBMリサーチとともに開発を進めていく。