東京電力は5月11日、7月1日から一般家庭を含む規制部門に対し電気料金の値上げを実施することとし、電気料金の値上げに関わる電気供給約款の変更について、経済産業大臣に申請したことを発表した。

同社によると、原子力事故が発生して以来、経営合理化に取り組んできたが、燃料費などのコスト増分を賄いつつ、深刻な経営状況から脱却することは困難な見通しとなっており、このままでは電気の安定供給をはじめ事業運営に影響を及ぼすおそれがあるとして、徹底した経営合理化を前提としたうえで、燃料費などのコスト増加を織り込んだ最低限の電気料金値上げを申請したとしている。

平成24年度から平成26年度の年平均の原価は総額5兆7,231億円となる見込みだが、現行料金を継続した場合の収入は5兆468億円の見込みとなり、年平均6,763億円の収入不足が見込まれる。規制部門については、年平均2,535億円の収入不足が見込まれることから、規制部門平均で1kWh当たり2.40円(10.28%)の値上げが予定されている。

一般家庭向け料金(従量電灯メニュー)は現在、使用量の増加に伴い料金単価が上昇する「3段階料金制度」が採用されているが、今回の値上げにおいては、家庭に必要不可欠な電気の使用量に応じた第1段階料金の値上げ幅を相対的に軽微にとどめることで、照明や冷蔵庫などの生活に必要不可欠な電気の使用への影響を軽減するとともに、節電の実施による料金負担の軽減効果を拡大するという。

従量電灯B/Cの3段階料金のイメージ

また、ピーク時間(夏季の13時~16時)に割高な料金し、夜間時間の料金を安くすることで、電気料金の削減が可能となる新たな料金メニューとして、ピーク抑制型季節別時間帯別電灯(ピークシフトプラン)が設定される。ピークシフトプランは6月1日実施として届け出が行われているため、電気料金値上げに先行し、6月1日から加入可能。

ピークシフトプランの利用イメージ

ピークシフトプランの時間別価格

主な契約種別の値上げの影響