1996年にTV放送が始まり、毎年4月に公開される劇場版アニメも今年で16作目と、今ではすっかり日本の代表的アニメのひとつとなった『名探偵コナン』。日本のみならず世界中で大ヒットしている推理アニメだが、海外ではどのようなタイトルで放送されているのだろうか?
■ヨーロッパ諸国では……
調べてみたらほとんど『Detective CONAN(ディテクティヴ コナン)』だった。 Detective=探偵で、国によって少し変わる。例えばドイツならDetektiv(ディテクティーフ)といった具合だ。とにかく『名探偵コナン』は、ドイツ、イタリア、フランス、スペインなど、ヨーロッパ諸国で大人気なのだ。
キャラクターの名前は、日本の名前をそのまま使うパターンが多かった。違う点は「○○さん」や「××君」などの呼び方を再現していないことくらいか。だが、少年探偵団のメンバーである「吉田歩美」が「灰原哀」に向かって「ハイバラー」と呼び捨てしているのには若干違和感が……。いつも礼儀正しい性格なだけに、ちょっと残念だ。
余談だが、コナンの理解者である通称・「阿笠博士(あがさはかせ)」は海外版では「プロフェッサー・アガサ」や「ドクター・アガサ」と呼ばれていた。が、なぜかスペイン語版では「ハカセ」。もしや「阿笠」が苗字で「博士」を名前と解釈し、「ハカセ」にしたのか? だが惜しいことに博士の本名は「阿笠博士(あがさひろし)」だ。ここは「ヒロシ」で……と思ったが、これではさらに意味不明に! 日本語の難しさを思い知る結果となった。
■アメリカでは衝撃的な名前に!!
このような具合でヨーロッパではタイトル名も登場人物名も、日本人が見れば一発で分かるものなのだが、事情が異なるのがアメリカ。なんとタイトルが『CASE CLOSED -One Truth Prevails-(ケース クローズド -ワン トゥルース プリヴェイルズ-)』と大きく変更されているのだ! 日本風に言うと「事件解決 ~ひとつの真実が常に勝つ~」といったところか。なんだか海外モノの推理ドラマのようなタイトルだが、これはこれでカッコいいかも。
でも、ヨーロッパ諸国のタイトルと同じでいいじゃん、とも思うがそこは著作権に敏感な国。マッチョで某元州知事でバーバリアンな“コナン”という有名キャラクターが既にいるためか、そのままタイトルに「コナン」という名前を使えなかったようだ。う~む、残念。
もちろん主人公の名前も「Conan Edogawa(コナン・エドガワ)」って、あれ? こちらは変更なし? どういうこと? ……気を取り直してほかのキャラクターの名前を調べてみると、「コナン」以外はかなりアメリカナイズされていて、コナンこと「工藤新一」のガールフレンド「毛利蘭」は「Rachel Moore(レイチェル・ムーア)」、彼女の父親の「毛利小五郎」は「Richard Moore(リチャード・ムーア)」、蘭の親友の「鈴木園子」は「Serena Sebastian(セリーナ・セバスチャン)」といった感じで変更されている。
蘭に関しては元の名前に似せようと頑張ったようだが、園子はイニシャルで力尽き、小五郎に至っては何がなんだか……といった感じである。ちなみにコナンの本名、「工藤新一」は「Jimmy Kudo(ジミー・クドー)」に。……なぜ工藤はそのままなのに新一だけJimmy……? 「江戸川コナン」が日本とイギリスの名前のちゃんぽんなので、それにならったのだろうか。
日本人としては、謎(ツッコミどころ)の尽きない『CASE CLOSED』なのであった。
文●サンプラント
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