日本IBMは4月25日、IBMのプロセッサ「POWER7」を搭載した高性能・高信頼サーバ「IBM Power Systems」ファミリーにおいて、OSをLinuxに限定し、x86サーバと同価格帯に設定したLinux専用サーバ「PowerLinux 7R2」を発表、同日より販売し、5月4日から出荷を開始する。最小構成価格は135万5700円(税別)。
同製品は、障害探知機能やエラー訂正機能、スペア部品への切り替えなど、業務停止を防ぐ多種多様な機能を装備し、一般的なx86サーバより高い信頼性を備えたLinuxサーバ。 2ソケットにPOWER7プロセッサを搭載し、最大64スレッドの並列処理が可能。プロセッサとメモリ間の高速処理を実現するため、ビッグデータの分散処理を実現するOSS「Hadoop」にも適している。同社の検証では、Hadoop処理に置いて、同じコア数で比較した場合、x86サーバで実現するより1秒当たりの処理件数(スループット)が約40%向上したという。
同製品専用の仮想化機能「PowerVM for PowerLinux」は、従来の仮想化機能PowerVMと同様に、高いセキュリティを実現。また、命令実行時のオーバーヘッドがほとんど発生しない設計で、仮想化環境においても物理環境と変わらない性能が得られる。
本年1月には、OSSのデータベース管理ソフトウェア「PostgreSQL」が改善され、POWER7とLinuxによる環境においてPostgreSQLは、最大64スレッドの並列処理能力を使ってデータベース処理できることが実証済みだ。これにより、同製品でPostgreSQLを活用する場合、PowerLinuxの処理能力が最大限に活用され、高速なデータベース処理が実現できる。
こうしたOSSとの組み合わせにより、大規模な分散処理を必要とする統計解析やデータベースのオンライントランザクション処理にも適用可能。また仮想化機能により、これらの業務を単一システム上で統合して、効率の高いシステムを低価格かつ高信頼環境で実現でき、24時間365日停止できないミッションクリティカルな業務システムやビッグデータなどに用いられる大規模分散処理にも対応可能。