富士ゼロックスは4月23日、紙に書いた手書き情報を、簡単に電子化する手書き情報入力システム「Denshi-Pen」で使用するドット画像が印刷された専用紙について、ドット画像を見えなくする技術を開発したと発表した。

Denshi-Penは誰もが馴染みのある「ペン」と「紙」とからなるユーザーインタフェイスで顧客や屋外、工場内等のPCを持ち込めない現場で「紙に書く」というオペレーションを変えることなく、手書きした情報を電子化することができる製品。

「Denshi-Pen」

事前に位置情報等を符号化したドット画像を紙に印刷しておき、紙に文字等を書く際にカメラが搭載されたペンでそのドット画像を撮影し、符号化された情報を読み取っている。これまではドット画像をカーボンブラックを含む墨インクで印刷していたため、紙面全体を薄灰色にしてしまうという課題があった。

同社では、長年培ってきた電子写真感光体向け材料技術をベースに、可視光領域には吸収がないことで人間の眼に見えにくい反面、ペンに搭載したカメラでは読み取れる赤外光吸収色材を独自に開発した。この見た目が透明に近い赤外光吸収色材を用いたインクで印刷した紙は、従来のドット画像による紙全体の薄灰色が解消され、白色普通紙と同様に見た目も美しく、また書いた文字も読みやすくなる。

(左)従来のノートのドット画像、(右)新開発の色材を用いたノートのドット画像

富士ゼロックスでは、4月24日より「Denshi-Pen 1 JS」1個を新たに購入すると先着700名に、この技術を採用した「Denshi-Pen Standard Notebook White(B5判) 」1冊を無料で進呈するキャンペーンを実施している。