中国で再び、大手ソフトフェア企業同士の提訴合戦が起きようとしている。この提訴合戦の主役は、インスタントメッセージソフト「QQ」を提供する騰訊(テンセント)と、セキュリティ対策ソフト「360」を提供する奇虎360科技だ。
中国の裁判所広東省高級人民法院はこのほど公式ミニブログで、両社の初公判が4月18日に開かれることを公表した。どちらも中国で圧倒的なシェアを誇る大企業だけに、裁判の行方が注目される。
戦いの始まりは2010年9月。奇虎360科技がQQを対象としたセキュリティツールを発表したことに端を発する。
テンセントは、360を利用するパソコンではQQソフトの利用を不可能にする措置を取ったため、多くのネットユーザーがいや応なしにこの争いに巻き込まれた。
戦いは現在も続いており、テンセントは昨年9月、360のセキュリティツール「koukouボディガード(扣扣保ビョウ※)」が不当競争にあたるとして、その開発と頒布の差し止めを求めて裁判所に提訴している。
今回は奇虎360科技が、テンセントは市場の支配的地位を乱用しているとして提訴。賠償金として1.5億元(約19億円)あまりを請求している。裁判所は、巨大ソフトウェア企業同士の訴訟であり、今後のモデルケースになりうるとの判断から、すべての審議過程の公開を決定。最も広い法廷を用意し、傍聴者の需要に応えると発表している。
※ビョウは金辺に票。