4月11日、企業のミッションクリティカル性が高いシステムへのPostgreSQLの普及を推進することを目的に、「PostgreSQLエンタープライズ・コンソーシアム」が発足した。
共同発起人および理事企業は、SRA OSS、NEC、NTT、日立製作所、日本ヒューレット・パッカード、富士通の6社で、共同発起人企業はアシスト、NECソフト、日立ソリューションズ、富士通ソーシアルサイエンスラボラトリの4社。
同コンソーシアムの理事長を務めるNTT 研究企画部門 OSSチーフプロデューサー 木ノ原誠司氏より、発足の目的、体制、活動内容などについて説明がなされた。
同氏は、「グローバルで見て、日本はPostgreSQLの導入が進んでいるが、インフラ事業の基幹システムなどのミッションクリティカル性の高いシステムにおいては、PostgreSQLはそれほど導入されていない」と述べた。
実際には、バージョン8.3ではVACUUMの自動化、バージョン9.1では同期レプリケーションが追加されるなど、PostgreSQLは企業の基幹システムでの利用に耐え得る機能が整備されてきているという。
同コンソーシアム設立の経緯としては、発起人の各社はもともと企業におけるPostgreSQLの導入に向けて技術検証や本体・周辺ツールの機能拡張を実施していたが、こうした活動を企業の枠を越えて行ってナレッジを共有することで、PostgreSQLの普及推進を効果的に行えるという合意に至ったと紹介された。
具体的には、「情報発信」「共同検証」「開発コミュニティへのフィードバック」「開発プロジェクト支援」を柱に、活動が行われる。「PostgreSQLの普及には、各種ツールや技術情報の発進が不可欠。基幹システムへの導入が少ない現状では、実証が大切だと考えており、実証をもとに情報を発信していきたい」と同氏。
入会費、年会費などといった会費はなく、会員の日々の活動から情報を持ち寄る。会員の応募受付・審査は事務局で行っており、正会員の資格としては、ワーキンググループで参加することなど、活動に貢献することがある。
第2四半期以降、テーマごとにワーキンググループを設け、共同検証が進められる予定。検証が予定されているテーマは「本体機能(パーティショニング、スケールアップ、信頼性)」「運用ツール(故障解析、性能チューニング、ディザスタリカバリ)」「その他(スケールアウト、データベース監査、マイグレーション)」で、いずれもPostgreSQLを基幹システムに導入するうえで不足している情報だという。