北川悦吏子が監督・脚本、岩井俊二がプロデュースする恋愛映画『新しい靴を買わなくちゃ』のキャストと公開月が発表された。

1月に開催された東映ラインナップ発表会では、監督・脚本・プロデューサー、そして全編パリで撮影されるということしか明かされなかった本作だが、主演の勅使河原アオイ役を中山美穂が、そしてアオイがパリで出会う八神千(セン)役を向井理が務めるという。中山は2002年よりパリへと生活拠点を移しており、初めて自らが住む地での映画ロケに挑む。3月15日にクランクインし、現在撮影1カ月に及ぶ撮影の真っ最中。公開は2012年10月を予定している。

(C)2012「新しい靴を買わなくちゃ」製作委員会

この企画は中山ありきでスタートしたという。北川は「ドラマ「『Love Story』(2001)の後、中山さんとメールのやり取りをしていて、その頃から『新しい靴~』のタイトルはありました。向井さんは、TV番組の『しゃべくり007』を見ていて、9頭身だし、いいなと思ったのと、年下の男の子で外国の映画っぽく、素直じゃない感じがあってそれが良かったです」と企画が実現するまでの経緯を語る。

さらに撮影について北川は「毎日が戦争。時間がある脚本と違って、撮影は時間内でやらなきゃという感じ」と監督としての重責を感じている様子。また、岩井は向井を「頭の良い人」と評する。「英語も話せるし、海外に行ったことがないのに、発音がネイティブ。アマンダ・プラマーとのやりとりは完璧だった」と称賛辞を贈っている。

パリで撮影中の中山と向井からコメントが届いた。

――パリでのオールロケという事で日本での撮影との違いなど、気づいた事や感想は

中山「この現場の撮影方法が従来のものとは全く違っていて、たぶん東京で撮っていたとしても新しい試みというか新鮮な感じだったと思います。このまま終わってしまうのは悪い。割とタイトなスケジュールで撮影しているのでもうちょっとじっくり撮りたい。パッションを大切にするような監督スタッフなのでうまく生かせれば良いと思います。パリでの撮影は変な感じです。撮影はパリなんですけどスタッフは日本人だし現場に入ってみれば昔なじんでいた現場の空気ですうっと入っていけるので、そこはパリというか『現場』だなという感じです」

向井「未体験の撮り方なので1週間で慣れたかはわからないんですが、本番が終わるのが早かったり。パリでっていう事に関しては、僕はほぼ初めてのパリだったので、海外の雰囲気っていうのはやっぱり違いますし、建物も歩いている人も当然外国の人なんで、あまり周りを気にしなくてもいいし、いろいろブラブラしたりとか自由に気ままにやってるんで、現場自体は新鮮です」

――お互いのキャラクターについて

中山「向井君に関しては前情報がなく先入観がなかったので自然にセンとして入っていけました。(センは)奇跡のように格好良い人。こういう映画だから登場できると思う」

向井「(アオイは)かわいいです。純粋に。かわいいしはかないし。気になる人です。運命的といえば運命的なので」

――年の差がある恋愛はどう思う?

中山「気が合えば年齢は関係ない」

向井「年齢は考えた事がない。何を考えて何年生きてきたかなので。年齢というよりはその人の内面に興味がある。何を考えて生きてきたのかが大事なんだと思います」

『新しい靴を買わなくちゃ』STORY

妹に付き添ってパリに来たものの、妹が突然の別行動を取り、パリの街中においていかれたカメラマンのセン。宿泊先も、パリの地理もわからず街中であたふたするセンはパスポートを落としてしまう。そのパスポートを偶然、踏んで破ってしまった日本人女性のアオイ。アオイは、パリに住むフリーペーパーのライター。そんなアオイは、パスポートを破ってしまった責任を感じ、大使館までの地図と自分の名刺をセンに渡す。大使館を訪れたセンだったが、パスポートの再発行までには時間がかかるらしい。センはアオイに手渡された名刺の番号に何気なく連絡を取る。

2人が出会って数時間、センがお礼に晩御飯をごちそうすると、アオイは酔っ払いそんなアオイをセンは家に届けるが、自分の泊まるホテルの名前が分からず、アオイの家に泊まってしまう。翌日、ふとアオイのアパートの下に住む住人のジョアンヌに招かれたセンはアオイの思いがけない秘密を聞かされる。

偶然、パリで出会った2人。
何かに惹かれたのか、それとも、ただ寂しさをまぎらわそうとしていただけなのか、さまざまな思いを心に抱え、偶然に出会ったこの日から、特別なパリの日々がスタートする。
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