ローソンは29日、スマートフォン用の無線LANサービス「LAWSON Wi-Fi」を開始すると発表した。同社の「Ponta」会員向けに24時間無料・無制限のネット接続を提供する。3月末から、Wi-Fi機器が設置済みの約6,000店舗でサービスを提供し、4月末までに病院内店舗など一部店舗を除く、ローソン全店舗約9,000店で利用が可能となる。
「LAWSON Wi-Fi」は、KDDIとの提携によってローソンが提供するポイントカード「Ponta」の会員向けに提供されるサービス。「Ponta」会員であれば、どの携帯事業者の端末でも無線LAN接続が行える。初回接続時にローソンが提供する「LAWSON 公式アプリ」からIDの登録を行い、2回目以降は自動で接続される。時間や接続回数の制限なく、24時間いつでも利用が可能となる。
「LAWSON 公式アプリ」では、ローソンの新商品やキャンペーンの情報、eコマースで提供する商品のおすすめ情報などが閲覧できるほか、アニメやドラマといった動画、音楽、電子書籍、ゲームといった店頭限定で配信されるコンテンツが取得できる。5月には店舗内にARマーカーを設置して、アニメ「けいおん!」のキャラクターを表示させる「けいおん!×ローソン AR企画」を実施する予定だ。
また、「Ponta」会員の購買履歴をもとに来店者の属性や好みにあった「おすすめ情報」や「お得なクーポン」を提供する。
Android向けアプリは2月28日に提供を開始しているが、Wi-Fi関連の機能については3月末以降にスタートする。iPhone向けアプリは2012年初夏対応予定。
KDDIとの提携として3月1日より以下のサービスを提供する。
- 「LAWSON Wi-Fi」とは別に「au Wi-Fi SPOT」を全国の店舗へ導入
- KDDIが展開する「au スマートパス」に対してローソングループから各種クーポンの提供
- 「HMV ONLINE」や「エルパカBOOKS」といったローソンのサービスへ「au かんたん決済」を導入、携帯料金と合算した支払いが可能になる
- ローソンHMVによるau スマートフォン向けCDストア「HMV for Lismo」の開設
このほかにローソンでは、NTTドコモ「docomo Wi-Fi」やソフトバンクモバイルの「ソフトバンク Wi-Fi スポット」の導入を予定している。5月から8月末まで「docomo Wi-Fi」は約8,000店舗、「ソフトバンク Wi-Fi スポット」は約7,000店舗で順次展開する。
Wi-Fiサービスによって会員増を目指す
ローソン 副社長 執行役員 COO 兼 CVSグループ CEO 玉塚元一氏 |
「ローソンの取り組みとして、店舗とお客さまとの接点を強化するために『Ponta』を展開し、着実に会員数が増加している。またスマートフォンが急増するなか、ユーザーのライフスタイルや情報の取り方、買い物の仕方が大きく変化してきていると実感する」
本サービスの発表会に出席したローソン 副社長 執行役員 COO 兼 CVSグループ CEO 玉塚元一氏は、Wi-Fiサービス提供の背景を話す。
現在、同社の売上に対する『Ponta』会員の売上比率は4割ほど。店舗によっては5割を超えるところもあるというが、「全体で5割を超えるところにもっていきたい」と玉塚氏は話す。
「売上に対する、会員比率が5割を超えてくると、お客さまの属性や購買履歴などいろいろな傾向がかなり見えてくる。データをもっと深堀して、お客さまの求めているものをよりタイムリーに提供したい」と、アプリを軸に「Ponta」会員数を増やし、製品開発や顧客ニーズの把握に力を入れていく考えを示した。