米ホワイトハウスは2月23日(現地時間)、オンラインでの消費者のプライバシーを保護する「Consumer Privacy Bill of Rights」を提案した。インターネット上での個人情報の扱いを消費者がコントロールする権利を確立し、またブラウザーメーカーに「Do Not Track」(行動追跡を拒否する機能)の実装を呼びかける内容になっている。これに対してMozilla、Microsoft、そしてDo Not Trackにこれまで消極的だったGoogleも、同日にホワイトハウスのアプローチをサポートすると表明した。
インターネット上のConsumer Privacy Bill of Rightsが提案されるのは、今回が初めてではない。昨年3月にも上院通信情報委員会の案を政府が支持し、法案が提出されたが、議会を通過しなかった。今回はインターネット上での消費者のプライバシーを保護しながら、同時にデジタル経済におけるイノベーションを促進させるためのフレームワークとして提案されている。プライバシー保護に関しては、データ収集やプライバシーポリシーを消費者が知る権利、消費者がデータ使用を管理する権利、セキュリティ、企業の責任などが定義されている。個人情報がどのように使われているかを消費者が明確に把握し、いつでもコントロールできる仕組みを確立することで、消費者のデータ提供に対する恐れがなくなり、企業側は個人の情報をサービスのパーソナル化などに活用しやすくなると指摘。ユーザーの情報管理の範囲拡大を手助けするテクノロジーとして“Do Not Track” に言及している。
ホワイトハウスのConsumer Privacy Bill of Rights提案に対してMozillaとMicrosoftは、それぞれのDo Not Track機能を向上させ、W3CにおけるDo Not Trackの標準化のサポートを押し進めると約束。GoogleもChromeにDo Not Track機能を本格的に実装し、一貫性のあるプライバシーコントロールの実現に協力することを表明した。また追跡拒否機能に反対していたDAA(Digital Advertising Alliance )も、参加する企業がDo Not Trackヘッダに対応する方針を明らかにした。