フリービットは12月19日、同社が提唱する新たな端末コンセプト「Social Computer」と、それを具現化した第一号機「Social Computer01」を発表した。端末は、同社のグループ会社であるエグゼモードと、中国aigo(愛国者)とが共同で開発している。

フリービット 代表取締役社長 CEOの石田宏樹氏

発表会に登壇したフリービット 代表取締役社長 CEOの石田宏樹氏は、ソーシャルメディアが普及した現在の状況を振り返り、「インターネット上では友人同士がたくさんつながっているが、現実の世界に目を向けると、ユーザーは端末だけと向き合っているような状況ができている。仲間で集まったときも、それぞれがモバイル端末で別々のことするようなケースが少なくない。ときには、隣にいる人とメールでコミュニケーションをとるようなこともある」とコメント。クラウド空間にある"つながり"の楽しさをリアル空間に広げる新しいコンピュータ像として、「Social Computer」というコンセプトを作り出したことを明かした。

一号機を作成するにあたって重きを置いたのは、1人でも大人数でも同じ画面を見ながら体験を共有できることだという。3.5インチから150インチまで自由に変更でき、1人でメールを作成するときも、大勢で映画を鑑賞するときも1台で対応できる。そんな新しいタイプの端末として、Social Computer01が開発された。

そのSocial Computer01は、画面をプロジェクションによって映し出すタイプの端末になる。組み込み向けOS「Microsoft Windows Embedded CE」が搭載されており、PCを接続することなくプレゼンテーションを表示させたり、ファイルを編集したりすることが可能。背面にはタッチパネルが組み込まれており、マウスを接続しなくてもメニューやファイルを操作することができる。また、Wi-Fi機能も備え、クラウドサービスと接続して利用することも可能。ServersManのオンラインストレージ10GB(Premium Pacは100GB)もセットで提供される。

Social Computer01

利用想定シーン。外出先でも利用可能。同じ画面を見ながら会話できる

大きさは、幅90.8mm×高さ31.2mm×奥行98.8mm。230グラムと軽量で、持ち運びも便利。オプション販売の電池パックを使用すれば、電源のない環境でも最大約2.5時間利用することができる。300ルーメンと高輝度なため、「明るい場所でも利用可能」(石田氏)という。

石田氏は、併せて同社の目指す方向性として「Web to Silk」というコンセプトを紹介したうえで、「くもの巣のように網の目の粗いWebの世界を脱し、絹のように網の目の細かいコンピューティング環境を作っていきたい」と説明。携帯やPCをWebを介さずともシームレスにつなげる環境を作り、ピークに合わせて大規模なサーバを用意するような現状を改善したいと語った。

同端末は、すでに予約受付中。年内の出荷開始を予定している。