国民生活センターはこのほど、スマートフォンに関する2011年度の相談件数が1,789件(2011年10月31日までの登録分)に上り、昨年の同時期と比較して3倍以上に及ぶと発表した。

今回同センターは、スマートフォンの機能はPCに近いと言われているが、「毎日持ち歩いて使うので不具合が生じると不満がより大きい」、「多くの場合、通信契約と一体で販売されているため、機器の不具合等で解約すると通信契約の解約料もかかるなど、通信契約と密接に関連している」といったことから、トラブル解決においては、PCとは異なる特性を持っており、今後の被害を防止すべく、情報提供するとしている。

PIO-NET(国民生活センターと全国の消費生活センターをオンラインネットワークで結んで消費生活に関する情報を蓄積しているデータベース)において、携帯電話全体に関する相談件数は、2010年度は1万6,917件と減少傾向にある一方、スマートフォンに関する相談件数は年々増加しており、2010年度は携帯電話全体の相談の約9%だったが、2011年度は約20%を占めている。

携帯電話全体に関する相談件数とスマートフォンに関する相談件数 資料:国民生活センター

相談内容については、スマートフォンは、その他携帯電話と比較すると「品質・機能・役務品質」(機器の品質・機能のほか、通信サービスの品質も含む)に関する相談の割合が3倍近くになっている。

スマートフォンとその他携帯電話の相談内容別の割合 資料:国民生活センター

機器の品質に関する相談としては、修理に出しても不具合が続くといった「故障頻発」やパンフレットなどの表記と違うといった「電池の消耗」の相談が多いという。同センターは、「機能が広がることで使い方が多様になり、不具合の原因究明をより難しくしている」と指摘している。

通信サービスについては、メールやインターネットをあまり利用していないのにパケット料金が上限額といった「料金」や通信制限のために動画が見られないといった「通信制限」が相談として多いという。

同センターでは、消費者に対し、以下の5点をアドバイスとしている。

  1. テレビコマーシャルなどの広告のイメージだけで判断せず、機能の特徴を十分ふまえて自分の利用目的にあった商品選択をする
  2. 不具合がおきた場合には、どのようなときに症状がおこったのかを確認しておく
  3. アプリケーションソフトの内容をよく理解しないまま、むやみにダウンロードしない
  4. 海外に持っていく場合は、必ず日本国内で事前に設定方法や課金の方法を確認しておく
  5. トラブルにあったら、最寄りの消費生活センターに相談する