日立製作所と日立プラントテクノロジーはこのほど、総務省受託事業として行った、「電気通信事業者のデータセンタにおけるサーバ室冷却効率の最適化に係わる実証実験」の結果をもとに、総務省が寄書提案したデータセンタ冷却方式の選定基準がITU(国際電気通信連合)の国際規格に採用されたと発表した。

データセンタ冷却方式の選定基準において、日本からの提案がITUの国際規格として採用されたのは今回が初めて。今回、国際規格に採用された内容は次の3点となる。

  1. スペース効率を考慮すると、高集積のサーバラック(例えば、5~8kw/ラック以上)を収容するデータセンタは「天吊り型局所冷却」を選定すべき
  2. エネルギー効率を考慮すると、外気湿球温度の高い(例えば、15℃以上)地域に立地するデータセンタは「天吊り型局所冷却」を選定し、外気湿球温度の低い(例えば、15℃以下)地域に立地するデータセンタは「外気冷却」または「気化冷却」を選定すべき
  3. スペース効率とエネルギー効率の両方を考慮すると、温暖な地域(例えば、湿球温度15℃以上)に立地するデータセンタは「天吊り型局所冷却」を選定すべき

両社は総務省から受託された実証実験に基づき、2011年1月から3月までの間、日立プラントテクノロジー 松戸研究所において、「一般空調方式」「外気冷却方式」「気化式冷却方式」「天吊り型局所冷却方式」の4つの冷却方式ごとに、エネルギー効率とスペース効率を試算する空調効率評価実験を行って、その結果をまとめた。