伊予銀行は11日、同日開催の取締役会において、関係当局の認可等を前提に、100%出資による証券子会社の設立を決議したと発表した。
新設する証券子会社の概要は、 会社名が「いよぎん証券株式会社」、本店所在地は愛媛県松山市。資本金は30億円で、開業予定日は2012年10月となっている。
伊予銀行グループは、伊予銀行、連結子会社10社で構成し、銀行業務を中心にリース業務やカード業務などの金融サービスに係る事業を行い、顧客に総合的な金融サービスを提供している。
証券業務についても、1998年に投資信託窓販業務を開始したほか、2005年には金融商品仲介業務の取扱いを開始するなど、順次業務を拡大してきた。顧客のニーズが多様化・高度化するなか、グループが一体となって、これまで以上の証券サービスを提供する狙いから、今回四国の地方銀行としては初めて、証券子会社を設立することとした。
主な目的は以下のとおり。
多様化・高度化する顧客ニーズへの対応
低金利環境の長期化により、高収益の運用商品をはじめとして顧客のニーズは多様化・高度化している。このため、同行の本支店内に共同店舗を設置し、銀行では取り扱うことができなかった証券会社ならではの専門性の高いサービスをワンストップで提供する。
あわせて、証券業務を通じて、高度な金融商品・情報・サービスに関するノウハウを持った人材を育成し、いよぎん証券と同行との間で適切な人事交流を行うことで、グループ全体の証券営業のレベルアップを図る。これらによって、これまで以上に顧客ニーズに応え、顧客満足度の向上を目指す。なお、同行においては、引き続き投資信託窓口販売や金融商品仲介業務の強化に取り組んでいく。
リテールビジネスの拡大による総合金融機関としての価値向上
証券子会社の「いよぎん証券」は、伊予銀行の全額出資子会社とし、伊予銀行への信頼をベースに顧客ニーズに応え、伊予銀行グループの戦略に沿ったサービスを提供する。こうしたいよぎん証券によるリテールビジネスの拡大によって、同行は、地域住民や株主に対し、総合金融機関としての価値向上を図っていく。
いよぎん証券では、主に同行と取引のある顧客に対して、株式や債券などの専門性の高い証券サービスを提供する。同行といよぎん証券が適切に連携し、同行が愛媛県内に構築している店舗網を活用して顧客ニーズの把握に努め、グループが一体となって、顧客の資産形成や資産運用をサポートする。
今後の予定は、今年11月11日付で総合企画部内に「いよぎん証券開設準備室」を設置し、関係当局への認可申請などの手続きを行い、2012年10月の開業を目指して準備を進めていく。