JR東日本は27日、東京急行電鉄の完全子会社である東急車輛製造の鉄道車両製造事業の経営権取得に合意したと発表した。

E231系やE233系など、自社製造車両が多く活躍するJR東日本。今回の合意で、車両製造が"経営の柱"のひとつに加わることが見込まれる

JR東日本はこれまで、新津車両製作所(新潟市秋葉区)にて209系やE217系、E231系、E233系など、約3,600両の車両を製造しており、ステンレス通勤車両の製造技術を向上させてきた。

一方、東急車輛は鉄道車両事業のほか、立体駐車装置事業や特装自動車事業も営んできたが、事業ごとに市場環境が異なることもあり、事業継続の抜本的な対策を急務としていた。

今回の合意により、東急車輛は2012年4月1日をもって会社分割(吸収分割)を行い、鉄道車両事業はJR東日本へ、立体駐車装置事業と特装自動車事業は新明和工業へ譲渡。鉄道車両事業に関しては、今後設立予定の鉄道車両新会社に吸収され、これをJR東日本が完全子会社化する。

JR東日本によれば、東急車輛の鉄道車両事業が有する開発設計力や特急車両の製造能力を取り込むことにより、新津車両製作所との相乗効果で、「車両製造事業をJR東日本グループの『経営の第4の柱』として確立し、鉄道技術をリードする企業グループとしての一段の飛躍に挑戦いたします」とのこと。

今後の展開として、国内市場では高品質・低コストの車両を提供。さらに日本コンサルタンツ(JR東日本、JR西日本、東京メトロらによる海外鉄道コンサルティング会社)と連携し、海外展開も視野に入れている。