セゾン投信は9月27日、東京・青山アーキテクトカフェにおいて、資産形成のためのステップアップ講座「大人のオンナのキャリア塾@青山~自分軸足マネープランをたてよう~」の第3回を開催した。節約に関する著書などで著名なファイナンシャルプランナーの花輪陽子さんが、ゲストとして"スペシャルトーク"を行った。

「大人のオンナのキャリア塾@青山~自分軸足マネープランをたてよう~」では、毎月1回の予定で30代の働く女性を対象に、講義とワークショップを展開している。前回は、エフピーウーマンの高山一恵取締役とセゾン投信の中野晴啓社長が登壇し、中野氏が「経済とお金」をテーマに話したほか、高山氏が「ライフプラン」のワークショップを実施した。

第3回となる今回は、ファイナンシャルプランナーの花輪陽子氏が、自らのキャリアをもとに、「成功する秘訣」や「ベストセラーの秘訣」などについて語った。

ファイナンシャルプランナーの花輪陽子氏

試練の日々を経てベストセラー作家に

花輪氏はまず、20代前半の時はひどいお金の使い方をしていて、借金が最大で200万円あり、「ダメダメOLだった」と述懐。さらに、新婚早々、同時期に夫婦で失業することになったと、試練の日々を振り返った。

花輪氏はこの状況下で、「このままではいけない」と思い立ち、ファイナンシャルプランナーの資格を目指すことに。また、ただ資格の勉強をするのではなく、さまざまな人の講演を聞きにいったりして、触発を受けながらFP・投資の勉強を行ったという。

勉強の甲斐あってFPの資格を取得し独立したが、仕事は自分で見つけなければならなかった。その中で執筆という仕事をするようになったが、その理由としては、「子供を生んでも続けられる」などがあった。

花輪氏はその後、『貯金ゼロ 借金200万円! ダメダメOLが資産1500万円を作るまで』(小学館)、『節約せずに年間200万円貯める方法』『かしこい節約生活』(大和書房)、『二人で時代を生き抜くお金管理術』(ディスカバー・トゥエンティワン)などの著書を執筆、ベストセラー作家となっている。

「成功の秘訣」は「思い込み」「努力」「運」の3つ

「成功の秘訣」として花輪氏は、「思い込み」「努力」「運」の3つを挙げ、その前提として、「まずは自分自身で、どういった状況が成功かをイメージすることが大切」と述べた。例えば、「年収3,000万円になれば成功」という人もいるし、「自分自身が好きな仕事をして年収400万円あれば成功」という人もいる。また、パートナーがいる場合は、どういった場合が2人にとっての成功なのかを目標設定することになる。

花輪氏の家族の場合は、「好きな仕事をしてお金に困らない状態」を「成功」と定義。花輪氏自身は、好きな仕事として、自宅でも、年をとってもできる「ものを書く仕事」と、子育てなどを経験していくとキャリアの重みが増す「ファイナンシャル・プランナーの仕事」を選んだ。「軸がしっかりしていれば、他人と比較することがなくなる」(花輪氏)。

その上で、成功の秘訣のうちの一つの「思い込み」について、「何か新しいことをする時、自分はできるという思い込みが必要」「何でもやってみなければ分からない」と述べ、その思い込みを補強するものとして、「目標を他人に宣言すれば、やらざるをえなくなる」と話した。花輪氏は、「成功の裏には無数の失敗がある」とし、「自分も打数が多いのでたまたま何回もチャンスが巡ってきた」と話し、「まず始めてどんどんチャレンジしていくことが大切」「失敗から学ぶことも多い」と話した。

成功の秘訣の二つ目としての「努力」については、「千里の道も一歩から」とし、「目標を分解していって、現実にできることからチャレンジしていく」ことが必要と述べた。花輪氏の場合は、「本を書く」という目標に向かって、「ブログを書き続ける」などの地道なことをやっていった。また、「"わらしべ長者"という考え方が重要」とし、まずFPで一番難しい資格をとる→雑誌に記事を書く→出版社を訪れる、など、持っている物をだんだんいい物と交換できるようにして、小さいところから自分の武器を磨いていくことが大切と述べた。

さらに、「自分の頭と足とお金の3つを使った」とし、「頭が割れそうになるほど考えた」ことや、自己投資にお金をかけたこと、足を使っていろんな人と会ったことなど、自らがどんな風に努力したかを話した。

成功の秘訣の3つ目の「運」については、「努力だけでは成功できない」とし、運を味方につけるために「波が来たら迷わず乗る」ことを勧めた。「波が来ている=追い風が吹いている」時には、「少々難しいことでも挑戦してみることが大切」と述べ、「運がいいうちに本物になり、自分の実力を相応のものにすることが重要」と話した。

「成長というものは、ジャンプするもの」

ここまで、「成功の秘訣」について話した花輪氏は、さらに、「成長というものは一直線に登っていくものではなく、ジャンプするもの」と説明。無理と思っていた仕事を引き受けて成功した経験などを話した。その例として、自分で1冊の本を書き下ろしたこと、テレビ出演のために徹夜で調べ物をした上でテレビに出たこと、連載記事を月に10本くらい書いたこと、などを挙げ、「自分は無理だと制限しないでやってみて、どんどん自分に負荷をかけることが大切」と強調した。

また、夫婦や周りの人とのシナジー効果も、成功・成長する上で大切な要素だと説明。花輪氏の場合は、ご主人がテクノロジーの知識を持っているため、その方面での最新の知識を教わることができた一方、花輪氏のほうからは社会制度やお金のことを教えることができたと話した。また、ものを書くことが好きであるという点では共通する部分もあり、「パートナーのサポートは大きい」と述べていた。

周りの人とのシナジー効果は、全部の仕事を自分でするわけではない、いろんな人と仕事をしなければならないため重要になるとし、「周りの人と協調することが大切」と話した。

その後、ベストセラーの秘訣などについて話した花輪氏は、今後の目標として、「変わっていく時代をチャンスとして挑戦していきたい」と述べ、「時代に合わせてコンテンツを提供していきたい」と抱負を述べた。

また、キャリア塾の参加者に対しては、女性のキャリアアップを快く思わない人たちの存在を指摘し、「向かい風もあるが、女性自身で跳ね飛ばしていかなければならない。女性しかできない強みを生かしつつ、女性もスーツを着るなど年齢が高い男性との付き合い方も学びながらキャリアアップしていけばいいのではないか」とメッセージを送っていた。

次回は、10月27日(木)の予定。「分散と積み立て」の講義とワークショップを実施する。1回単位での受講も可能で、途中参加もOK。申し込みはこちら