米McAfee 共同社長のTodd Gebhart氏

マカフィーは9月29日、マルチデバイスに対応したセキュリティソフトの新製品「マカフィー オール アクセス」を発表した。発表会には、今年8月に米McAfee 共同社長に就任したTodd Gebhart氏が登壇。同社の企業戦略と、新製品のコンセプトを紹介した。

Gebhart氏は、冒頭、1日に6万のマルウェア、1ヵ月に200万の悪意あるサイトが発見され、米国では毎分160台のタブレット端末が紛失しているという現状を紹介。そのうえで、「McAfeeのミッションは、すべてのユーザーが一切心配することなくインターネットを自由に楽しめる環境を作ること」と説明し、デバイス、データ、ユーザーの3つの観点から防護ソリューションを提供していることを明かした。

さらに氏は、今年2月に買収作業が完了し、正式に親会社となった米Intelとの関係についても言及。Intelの開発方針に「電源効率の良いパフォーマンス」、「インターネット接続」と併せて「セキュリティ」が入ったこと、次世代型端末のアーキテクチャに「OS外セキュリティ」という要素が加えられ、CPUのレイヤーでセキュリティエンジンを組み込んでいく考えであることが紹介された。

OS外セキュリティのイメージ

マカフィー 取締役常務執行役員 コンシューマ事業統括の田中辰夫氏

今回発表された新製品は、「個人ユーザーが所有するあらゆるデバイスを保護する」というコンセプトの下に開発されたもの。Windows、Mac、Android/BlackBerry/Symbian端末向けのセキュリティ製品を組み合わせたような構成になっており、ユーザーは同製品のライセンスを購入すると、自分の所有する各端末に台数の制限なくセキュリティソフトを導入することができる。

マカフィー オール アクセスで提供される主な機能は以下のとおり。

  • ウイルス・スパイウェア対策
  • フィッシング・個人情報保護対策
  • 双方向ファイアウォール
  • Webサイトの安全性評価(強化版)
  • USBドライブのスキャン
  • 迷惑メール対策
  • オンラインバックアップ(2GB)
  • 保護者機能
  • ファイルとフォルダの暗号化
  • Macのセキュリティ
  • モバイル端末のセキュリティ

価格は、1年1ユーザーで9980円。マカフィーでは、家庭やSOHO向けに「1年5ユーザー」版ライセンスも用意しており、そちらは1万4800円で提供される。

マカフィー オール アクセスの特徴

また、マカフィーは併せて、「マカフィー アンチウイルス プラス」「マカフィー インターネットセキュリティ」「マカフィー トータルプロテクション」の個人向け3製品に関して2012年版をリリースしたことも発表。パフォーマンスを改善し、ユーザビリティを向上させたほか、以下のような新機能が追加されている。

  • ネットガード(ファイアウォール機能) : マカフィーのクラウドベースのセキュリティ技術基盤「Global Threat Intelligence」との連携により、接続先の危険性を確認し、情報の不正な送受信を阻止
  • 外付けドライブの自動スキャン : USBドライブをPCに接続すると、自動でウイルススキャンを実行し、PCをクリーンに保護
  • 他社製品の自動アンインストール : 他社のセキュリティ製品がインストール済みの場合は、アラート表示後に他社製品を自動アンインストールすることで、インストール時間を節約
  • プリインストールスキャン : インストールしようとするPCがウイルスに感染している場合は、インストール中に感染の徴候を探し、プリインストールスキャンを実行して、感染を駆除
  • 盗難防止(暗号化) : 大事なファイルを暗号化し、パスワードで保護することで、紛失や盗難の際に大事なファイルの流出を防止
  • サイトアドバイザー ライブ(安全な短縮URLの作成) : 短縮URLを簡単に生成し、FacebookやTwitter、メールで安全に共有

なお、上記のうち、盗難防止、サイトアドバイザー ライブに関しては、「マカフィー トータルプロテクション 2012」にのみ搭載される機能になる。