Adobe Alchemy

9月21日(米国時間)にそれぞれ最新版となる「Adobe Flash Player 11」および「Adobe AIR 3」を発表したAdobe Systemsだが、この発表に関連して興味深い情報がFlash Playerチームブログに掲載された。説明によると、Adobe Labsから「Alchemy」のプレビュー版を排除するという。

Adobeは2008年、C/C++コードをFlash PlayerやAIRで実行できるようにするための実験的取り組みを「Alchemy」として発表した。ActionScriptを1から開発するよりも、既存のC/C++の成果物を変換してFlash PlayerやAIRで実行した方が高速に動作するということで大きく注目を集めた。

今回Adobe LabsからAlchemyをドロップアウトする理由は、正式版を開発するためだと説明がある。正式版は現在提供されているプレビュー版よりもパフォーマンスや速度の向上が期待できるほか、開発しやすさの向上、デバッグ機能の提供、スケーラビリティの向上、生成されるコード量の削減、ActionScriptとの統合性の向上などが期待できるという。

Alchemyは商用利用に対しても提供されるが、非商用利用に対しては無償で提供される。さらに、いずれFlash PlayerやAIRにAlchemyと同等の機能が取り込まれるとしており、将来のFlash技術を特徴付ける機能と位置づけられていることがわかる。