ミック経済研究所は、ネット広告市場とWebインテグレーション市場の2市場の動向を調査し、その結果を9月14日に発表した。

同調査は、主要ネット広告代理店、メディアレップおよびWebインテグレーターへの面接取材を中心に実施され、2009年度から2010年度までの現状と、2011年度の見込み、2014年度までの予測および詳細分析が行われている。市場規模の算定は、広告代理店が広告主へ直接広告枠を販売した総額となる。

同調査によると、2010年度のネット広告代理総市場は前年比109.1%となる5060億円で、2009年度が経済不況の影響でほぼ横ばいとなった状況から大きく好転する結果としている。デバイス別で見ると、PC向け広告が4075億円、フィーチャーフォン向け広告が957億円、スマートフォン向け広告が28億円。

2010年度に好転した理由としては、各代理店によるネット広告分野への取り組みの強化、クライアント1社当たりの単価が増えていることがまず挙げられるとしている。また、フィーチャーフォン向けの広告市場が前年度に引き続き好調に推移したことや、情報サービス系のクライアントによる継続的な広告出稿、2009年度に大きく落ち込んだ人材、金融、不動産などの広告出稿が徐々に回復してきたことも要因としている。

ネット広告代理総市場のデバイス別売上規模推移(単位 百万円)

ネット広告代理総市場のデバイス別別売上規模推移

また2011年度については、前年に比べ伸び率がやや鈍化するものの、前年比106.9%となると予測。震災直後は、大手広告主のプロモーション自粛などで、ネット広告においてもブランディング重視の広告が影響を受けたが、現在では徐々に震災前の状況に戻りつつあるとしている。

2011年度以降は年平均成長率5.1%で推移し、2014年度のネット広告代理総市場は6180億円に拡大すると推定。スマートフォンが広告市場を押し上げている一方、フィーチャーフォン向け広告は、今後デバイスの切り替えが進む中で2011年度をピークに緩やかに減少していくと予測されるという。

なお同調査の詳細は、調査レポート「ネット広告&Webインテグレーション市場の現状と展望2011年」として同社Webサイトで有料販売されている。