富士ゼロックスは、SMB市場に向けてパブリッククラウドを活用した新サービス「SkyDesk(スカイデスク)サービス」を、8月23日より無償で提供すると発表した。

「SkyDeskサービス」は、ワークグループでより迅速に効率的に活動するためにメール、名刺共有、カレンダー、タスク管理、文書作成、表計算などの機能をもつ、組織内やコミュニティー内で情報をクラウド上で一元化し、情報共有を図るためのクラウドサービス。企業や組織内にとどまらず、複数の企業間でも利用できるほか、NPO、NGO、地域自治会、PTA、JVなど、メンバーの入れ替わりの伴うコミュニティーでの利用も想定している。

「SkyDeskサービス」のトップ画面

「SkyDeskサービス」は、同社の開発に加え、米Zoho Corporationとの提携により提供され、「Mail」「Contacts」「Calendar」「Tasks」「Chat」「Docs」「Writer」「Sheet」「Show」「Notes」「Links」というコラボレーション領域の11サービスと、セールス領域の「CRM」「Cards」という、合計13のサービスが提供される。

提供されるサービス

「Mail」サービスでは、専用のメールアドレスを取得するだけでなく、現在利用中のWebメールも「SkyDeskサービス」上で統合管理することができる。Gmailとhotmailとの連携も可能だという。

Mailの画面

連絡先管理の「Contacts」では、自分で管理している連絡先を組織内のメンバーで共有したり、顧客データとして他のアプリケーションで活用が可能。

そのほか、「Calendar」はメンバーでスケジュールを共有することができ、「Tasks」は、個々のTo Doリストの管理をはじめ、期限を設定して、各タスクをメンバーに割り当てることや進捗状況も管理できる。

「Docs」は、まざまな文書やファイルを複数のメンバーで共有することができ、「Writer」はオンラインでの文書作成、編集、共有が可能。「Sheet」は、オンラインでの集計やグラフ作成が可能で、「Show」はオンラインプレゼンテーション。「Notes」はオンラインメモ帳で、「Links」はウェブサイトへのリンクをオンラインで管理できる。

Docsの画面

Sheetの画面

また、営業、マーケティング支援など、営業活動を一貫してサポートするCRM、名刺データの共有管理が可能なCardsの2つのオンラインアプリケーションサービスも用意。CRMでは、一連の営業活動を営業支援、マーケティング支援、カストマーサポートの各ステージに分けて管理し、各ステージで発生したユーザーとのやりとり、資料、タスクなどは次のステージへ引き継がれていく。

一方、名刺管理の「Cards」では、名刺をスキャンし、OCRでテキスト化した結果を確認・修正するだけで登録が完了。スマートフォンでの名刺撮影で登録することも可能で、データをCRMに取り込むこともできる。

「Cards」。スキャンした名刺はOCRでテキスト化できる

iOS用のアプリ「SkyDesk Mobile」

「Writer」は、Word、OpenOffice、PDF、ODT、RTF、テキストファイル、HTML、 「Sheet」は、XLS、CSV、HTMLでのエクスポートが可能で、「Show」はPPT、PPS、ODP、PDF、HTMLファイルと互換性がある。

1ユーザーあたりのデータ保存容量は1GBまでで、名刺の登録は50枚まで。ブラウザはFirefox3.6以上とIE8以上に対応する。また、スマートフォンにも対応し、iOSの4.2と4.3で利用できる。Androidについては、今後対応を検討していくという。

今回、富士ゼロックスがSMB向けに新たなサービスを提供した狙いは、SMB市場の開拓にある。

富士ゼロックス 新規事業準備室 室長 田中徹氏

同社は、これまで大企業中心にビジネスを展開してきたが、今後はSMB市場にも積極的に参入していくという。富士ゼロックス 新規事業準備室 室長 田中徹氏は、「これまでSOHO・小規模事業者へのアプローチは十分なものではなかった。今回のサービスを通して、富士ゼロックスをSMB市場で認知してもらいたい」と語る。また、富士ゼロックス 新規事業準備室 プランニング&マーケティンググループ長 小栗伸重氏も、「これまで営業がすべてのお客様をカバーをできていたわけではなかった」と語る。

今後は、今回の無償版の反応を見て、機能を拡張した有償版の提供を考えていくという。