弥生は、「はじめてでも、より使いやすく、よくわかりやすく」をコンセプトに開発された見積書、納品書、請求書作成ソフト「やよいの見積・納品・請求書 11」を、7月8日に発売すると発表した。価格は10,500円。既存製品のバージョンアップは毎年行っているが、新商品としては同社にとって4年ぶりとなる。
同社では、弥生販売という販売管理ソフトを発売しているが、こちらは見積り、受注、納品、請求、入金という販売プロセスに則して売上/在庫を管理し、バックエンドでSQL Serverを利用するなど、やや上級者向けの仕様になっている。
一方、市場は、ただ見積書、納品書、請求書を出せればいいという、帳票出力に特化した製品が9割を占め、Excelで管理している事業者も多いという。ただ、これらの商品を利用するユーザーには、書式やデザインを自由に変更できないという不満があり、同社ではこれらを解消する新商品として「やよいの見積・納品・請求書 11」を開発した。
新製品は、WPF(Windows Presentation Foundation)を活用し、簡単に使えるというのがウリ。得意先や商品などのマスター登録は必要なく、選択した帳票の印刷イメージそのままの入力画面に、直接各項目を入力するスタイルを採用する。得意先や商品などは、入力したデータを自動でマスター登録することも可能で、テーブル罫線の作成や、罫線の線種変更、フォントサイズの変更など、細かな編集ができるのも特徴。PDF化機能も標準で持っている。クリエイターなどのフリーランスや税理士などが主なターゲットだ。
同社の代表取締役社長 岡本浩一郎氏は、「既存の帳票作成ソフトでは、書式・デザイン変更に関連する不満は解決できない。ここに市場機会がある。価格は競合製品の2倍程度だが、十分に戦える製品だと思っている」と、自信を見せる。
また、岡本社長は震災の影響について、4月は前年割れとなったが、5月は対前年を上回り、2011年度通期は概ね計画通りで、過去最高の売り上げ、営業利益を達成する見込みだと、業績が好調な点を強調した。